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berto

I Saw the Devil
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I was in 4chan a few days ago on a DMC1 thread and some people were mentioning that Dante had no character in the game, he only had around 5 minutes of cutscenes and less than that of dialogue, and I told them that he does, in fact, have a character but it's not in the game, not with so little screen time, it's in there in some written materials. For example, and I don't think I've ever mentioned this here, but it seems that Dante liked to read adventure books as a kid since he gets excited and compares Griffon to the Roc bird from the Arabian Nights and talks about that book.

After that I posted a pic of the text I got that from and a transcript that took me forever to make from that image. You'd think being 2019, aka, the future, OCR, even for Japanese, would be more exact, but I had to do A LOT of corrections on my own, and that took forever. Anyway, I have a lot similar material I've transcribed from Japanese DMC1 material and I might as well share it here, even if no one is going to see it because this section of the forum is dead and I am all but talking to myself here. Anyway, I'm posting it here because posting it on 4chan is anonymous and screw that, I want the credit for the hard work I did.

I mentioned this there, too, but the reason I have so much transcribed and set up is because I was going to make a very detailed and informative playthrough. Actually, I was going to make the ultimate playthrough. I graphics planed, I tracked down fonts, transcribed text, looked into translators, planed out the layout, read a lot on the subject matter. Unfortunately, it all started falling apart and my plans fell to the wayside. Still, might as well share what I have and vent a bit while I'm at it.

This stuff here is from this one book, a Japanese guide book, デビルメイクライ解体真書, which is a bit of a hard name to translate, something to the effect of deconstruction book. In it there are detailed maps, item description, distance of jump comparisons, tips I've never seen before, S rank requirements for each stage, 3D diagrams of rooms, enemy guides and, the thing I'm putting here, a small section for every enemy called Dante's comments where Dante gives small insights into every enemy.

I'll put the transcript and the image if any of you want to verify, translate or correct the text you are welcome to. I might not put the images up first, they're pretty huge files since I scanned at 600dpi to get the best quality for image to text recognition.

Anyway, let's start. These are going to be pretty long batches of text:

MARIONETTE
魔界と人間界の間にある次元の壁は、言ってみれば大ざっぱな網みたいなもんだ。
高等な悪魔どもはその力が災いして、よほどの好条件がそろわないとこっちの世界
に出てくることができないが、低級な魔物ならこの網の目をくぐれるってワケだ。だ
が、そうなると今度は力が弱すぎて、こっちじゃ肉体の維持さえできないザコも出て
くる。そんな情けないヤツらが、等身大の操り人形を魔力の受け迎にして活動して
やがるのがこのマリオネットどもだ。悪魔狩人としちゃあ相手にする弾丸ももった
いない下っ端中の下っ端で、ちょっと手荒くあつかってやればすぐにブッ壊れちま
う。ただし銃を使うなど、頭の固い悪魔どもにしては時代に合わせる柔軟性もある
みたいだな。最前線に立つ者は工夫するってことか。

BLOODY MARY
マリオネットと同じく、実体化できない下っ端悪魔が人形っていう“器”を依り代に
人間界を動きまわっている魔界の尖兵だ。ちがいはと言えば、この操り人形の着てい
る服が人間の血で真っ赤に染められていることぐらいだが、じつのところ血ってのは
思いもよらない力を秘めている。とくに恨みを残したり、最期の瞬間まで生に執着し
て息絶えた人間の血液は、一種の呪いに近いレベルの魔力を生むことがあり、こいつ
らはそれを利用して自分の力を何倍にも強めてやがるのさ。犠牲者の血がさらに悪
魔を強くするなんて胸クソの悪い話だが、実際にこの血染めの服はもろい人形の身
体を魔術的にコートして、耐久力を飛躍的に高めちまってる。徹底的に壊してやらな
きゃ、死人も浮かばれないだろう。

FETISH
こいつも人形を媒介にしなけりゃ人間界で活動できない類の悪魔だが、格で言う
ならマリオネットどもよりもずいぶんと上等な連中になるようだ。“器”にしている
の も人間が作ったものじゃなぐ悪魔みずからの手による特別製の人形で、たしかに人
よりも化け物に似せた悪趣味な外見をしていやがる。乗り移っている悪魔は炎を操
る術が得意らしく、燃え盛る車輪のような武器を使い、対処に手間取るとこちらの動
きを読んで強烈な火炎を口から放射してくる。マリオネットどもを統率する役割も果
たす、なめてかかると大火傷しかねない魔界の前線指揮官だ。とはいえ、しょせん作
り物の身体では、本物の魔族の肉体が持つタフさには及ぶべくちない。実体化でき
ないのは俺にとっちゃ幸運だったかもな。

SIN SCISSORS
面ってものは、本当の顔を隠すだけのものじやない。喜怒哀楽の感情を写し取った
仮面は、かぶるだけで役者にその役柄を与えることになる。たとえばそれが恐ろし
げな役なら、観客の1布れ”という強い思念は、恐怖を記号的に表す仮面に集中する
わけだ。そうして長いあいだ、人の念を浴びつづけた面は、じつは悪魔どもにとって
格好の依り代になっちまう。“罪”の名を持つこの魔族は、やはり物質の媒介なしには
人間界に出てこられない低級なヤツらだが、マリオネットとはちがって霊体を半実体
化させ、武器となる大バサミや物理攻撃の通用しないマント状の身体を造り岀すこ
とができる。ただ、仮面に蓄積された思念が魔力を増大しているってことは、こいつ
らの弱点は考えるまでもないんだけどな。

SIN SCYTHE
"罪"と呼ばれる魔族の、 少しだけ高等な部類に入る連中だ。 とこちらはハサミじゃな
く、 古来人間が死神のイメージとして捉えてきた、 命を刈り取る記大なカマ(サイ 人導
を武器として実体化させている。 こいつらも仮面を破壊してやればこっちの世界にと
どまることはできなくなるんだが、 シザーズにくらべてちょっとばかり厄介だ。 容体
化の魔力が強いためか大ガマを手から放して飛ばすこともできるし、 周囲に漂つ引し
き想念を集めて力を増強する能力まで備えていやがる。つかがず離れず飛びまわつて
多彩な攻撃を仕掛けてくる、 対剣士の戦法を詩知した古強者どもだ。 だが、 憶しいこ
とにこいつらは、 銃のない時代しか知らなかったらしい。 それだけじゃとても現代に
は生き残れないって、 骨身にしみるまで教えてやらなくちゃな。

DEATH SCISSORS
あんたらは骨から何を想像する?それもスペアリブにくっついてるちっぽけな骨
じゃなく、頭ガイコツだぜ? そうなるとやっぱり、思い浮かべるのは“死”のイメー
ジだよな。大抵の人間は死ぬのが怖い。だからそれを想像させる頭の骨なんか見ち
まうと、気にしないでいようとしても無意識に過剰な恐怖を抱いちまう。そんな念が
蓄積しつづければ、そのうち仮面よりも強力な“器”ができあがるって寸法だ。古い牛
の頭ガイコツを媒介に活動するこいつらは、基本的にはシンどもと同じ系統の魔族
ながら、そうした理由ではるかに強い魔力を備えている。やはり顔にあたる頭ガイコ
ツが弱点になるワケだが、この魔力で保護されているのか拳銃弾の効きがすこぶる
悪い。鍛えた脚力と剣技の見せどころだな。

DEATH SCYTHE
俺が知るかぎり、 仮面や骨を依り代にして人間界に現れるヤツらのなかでは、 もっ
とも高い地位にあるらしい手強い悪魔だ。 骨の頭部に揺らめくマント、 そして手にす
るのは大ガマと、 これで使われているのが牛じゃなく人間の骨だったら、 死神の姿そ
のものになる外見をしていやがる。 もっとも、 悪魔どもは人間が文明を持つずっと前
から存在するヤツらだから、 案外大苦に現れて暴れまわったこいつの姿をもとに、 あ
の死神のイメージができあがったのかもしれないな。 操る魔力もこの系統の魔族と
しては段ちがいの強さで、 大気の精霊を従わせて小規模な竜巻を生み出すこともで
きる。 これに巻きこまれて空中に放り上げられただけでも、 ふつうの人間なら致命
傷になるだろう。 まあ、 悪魔狩人にはそよ風みたいなもので。

SARGASSO
近ごろじゃああまり聞かないが、"サルガッソー" って響きは耳にしたことがあるだ
ろう? もともとはアフリカ大陸の西に広がる南北 1500キロ、 東西は5O00キロ
にも及上広大な海域の名前で、 計器や通信技術が発達していない時代には航海の難
所として知られていた場所だ。 なんでもその一帯は海藻が漂着して上繁茂する「藻の海]
で、うかつに乗り入れた船はこの大海藻にからめ取られて二度と抜け出せなくなるら
しい。その船の墓場と同じ名で呼ばれるこの魔族は、 海と魔界の狭間を行き来する
低級な連中で、 近くに生命の波動を感じると反射的に実体化して食らいついてくる。
知能も低く耐久力もないまさにザコだが、 こいつらがサルガッソーの宰難にひと役
買っていたとすると、 どうにもゾッとしない話だな。

PHANTOM BABIES
このやたらと多い子グモどもも、 何百年------あるいは千年以上を生き延びれば、強
大な悪魔へと成長をとげることになるだろう。 少なくとも実体として人間界に出し
こられるだけでも、 物質源依型のものたちよりは高等な部類に入るからだ。 ただし、
魔界の生存競争はあまりにも厳しく、 地位の高い魔族の血筋でめろうと、 力のない者
は容赦なく生命を率われていく。この子グモか十分に育つ確率は、 おそらく数万匹に
1匹ってところだろう。ま、そうじゃなきゃ俺も身が持たないけどな。

SHADOW
暗がりでヤバい気配を感じたなら、 きっと気のせいなんかじゃないぜ。 あんたが悪魔
狩人じゃないなら、 振り返ったりしないで一目散に逃げるのをオススメする。 なぜなら
この生きている影みたいな悪魔は、 大昔から戦いのなかで力と経験を蓋えてきた、 ふ
つうの人間じゃ太刀打ちできない戦闘機械のようなヤツだからだ。 本体でめあるコアを
実体ある影で包み、 強力な呪文でくくって、 俊欠なヒョウの姿をベースに自在に形態を
変化させてくる。 かつて剣士との死闘で対処能力を身につけたのか、この影のボディに
斬りつけちまうと、 魔力を凝固させた矢を正確に撃ち返してきやがる。 こいつの記憎に
はない銃でダメージを与えて本体を露出させるのが有効な手だが、 不用意な銃撃じゃ
あ弾丸さえ避けやがるんだ!

BEELZEBUB
ベルゼバブとは悪魔学でいうところの、 神に反逆した罪で天界から追放された堕
天使であり、 地獄でもっとも有力な魔王のひとりと言われる大悪魔を指す。 巨大な人
エの姿を取ることもあるとされ、 ハエの宰相として知られる大物中の大物だ。 もちろ
ん、こんなチンケなハエの化け物どもがその魔王であるはずもなく、 単にハエを媒介
にして活動することから便宜上そう呼んでいるだけに過ぎない。 とはいえ油断は禁
物だ。 魔力で巨大化した醜悪な身体は、 もとがハエだけにうるさいほど機敏に飛び
まわり、 ウジに似た霊気を浴びせられて飛び道具を封じられると少々手こずることに
なりかねない。 とくに、 飛ばずに地を這う緑色の大型種は、 共食いのように仲間の魔
力を喰らってパワーアップするタチの悪いヤツだ。

KYKLOPS
岩や土塊を依り代にして、 巨大なクモの姿を取って現れる悪魔だ。"一つ目巨人"の
呼び名のとおり、 バカでかい目玉がひとつだけ顕部にくっついていて、 魔夫の住人に
ふさわしい不気味さをかもし出していやがる。 使う魔力の系続も土や岩を操る類の
もので、 そこいらにある土を見さかいなく食い散らかしては、 体内で岩の塊に固め直
して凄まじい勢いで撃ち出してくる。 岩石でできたボディは外見にたがわず便く、 斬
れないことはないにしても、 俺の腕がシビれちまうくらいには頑丈だ。 さらにはこの
クソ重たい図体を空高くジャンプさせる脚力まで備わっていて、うかうかしてるとブプ
レス機にかけられたスクラップみたいにツブされちまう。 こいつら、 吐き出す岩で同
士討おまでしちまうんだから、 あきれるほかないぜ。

BLADE
魔帝つってヤツはどうも、 自分が創造主かが何かのようにカンちがいしてやがるようだ。
と言うのも、 この爬虫類がうっかり進化しちまったようなトカゲ人間どもは、 どうやら
地上世界を制圧する戦力として、 魔帝がわざわざ造り出した魔界兵であるらしい。 たし
かに、 俺をうならせるような腕の立つ悪魔のほとんどが人間界に出てこられない状況
では` たいした魔力もないかゎりに、 こっちの環境に適合した肉体を持つ魔族を産み出
したほうがずっと手っ取り早いんだろう。 イカレた創造主にそのようにデザインされ
たブレイドどもは、 並はずれた体力と与えられた防具を駆使して、 生半可な攻撃は跳ね
返しながら力まかせに迫ってくる。 魔帝の都合で殺戮のためだけに造られた、 感情すら
持たない哀れな連中だ。
 
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berto

I Saw the Devil
Moderator
PLASMA
他人にロマネとかされると、 妙に腹立たしいことってないか? 電撃の化身らしい
このプラズマって悪魔は、 通常は一つ目のコウモリの姿をしてるんだが、 よりにもよ
って戦っている相手の姿や行動、 能力までもコピーしてマネしやがるイヤったらしい
ヤツだ。 しかもこいつは3体に分裂する能力を持っていて、 自分にそっくりの青白い
化け物を複数相手に戦わなきゃならないハメになる。 ま、 もっとも腹が立つのは手強
すぎるって話じゃなく、俺の姿をしたヤツが問抜けなタイミングで技を繰り出したり、
その外見のままで力つきるってことに対してなんだけどな。 そうそう、 同じ系統の力
を操る雷の魔剣アラストルはこいつよりもずっと格上だから、 向こうからのダメージ
は軽減しても、 こっちの攻撃の効きが悪いなんてことはなさそうだぜ。

FROST
ブレイドと同様、人間界侵攻の中心兵力として魔帝に造り出された魔界兵だ。 だが、
ベースは同じでもこちらはくらべものにならない手間がかけられているらしく、 上級
悪魔に匹敵する魔力をその身に備えていやがる。 操るのは冷気の力で、 ツララ状に
水結した爪を回避不可能なほどの超高速で撃ち出すほか、 地面を通じて強烈な冷凍
波を伝達したり、 接近すれば自分を中心に大気中の水分を凝結させ、 氷の針に変えて
攻撃してくる。 さらには肉体自体を水の微粒子に分解し、テレポートめいた高速移動
と身体の再構成をもやってのける。 まさに至高の傑作と、 魔帯もほくそ笑んでいやが
ったんだろうが、 どうやらヤツはひとつだけ忘れていたらしい。 こいつら、 イフリー
トの超高熱には笑えるほどモロいのさ。

NOBODY
“誰でもない” 者ども-----あまりにも知能が低かったために、 名前さえも写えられな
かった魔界の最下層魔族だ。 しかし、 ここであなどるのは素人考えってもんだろう。
魔界って場所は種族の地位なんて関係のない、 つけいるスキがあれば即座に命を取
られる弱肉強食のイカレた世界だ。そこでまがりなりにも生き残ってきたってコトは、
弱い頭を十分にカバーする能力があるってコトだ。 こいつらの場合、 それは常識はず
れの体力と、 倒されたなら相手も道運れにする強力な含を往んだ皿肉だつたらしい。
また、 知性はなくても呪術的な能力は高いようで、 奇妙な舞踏で魔力を吸収したり、
薄気味の悪い仮面を被って巨大化したりもする。 魔界の住人が相手にしたがらなか
った理由が俺にもわかるぜ……。

PHANTOM
こいつもまたデカい化けグモの姿をしているが、 サイクロプスなんか足元にも及ば
ない格上の上級明魔だ。 見がけによらず知能も高いようで、 人の話も聞かずにペラペ
ラフとしゃべりやがることには、 魔帝の腹心のひとりなんだそうだ。 依り代に頼らず、 魔
界と人間界の境界が弱まったマレット島の、 次元の壁を押し広げるようにして本体のま
まこっちの世界にやってきたらしい。 “幻影"なんてはかなげな名前とは裏腹に、 煮えた
ざるマグマでできた本体を緒うクモの外骨格はがっちりと硬く、 魔剣の刃も銃弾も完
全に弾き返しちまうやっかいな鎧だ。 こいつに痛い目を見せてやるには、 火球放出の
ために魔力防御の電製がある口を狙うか、 あるいはサソリの尾のような尻尾が格納さ
れている背中の隙間に斬撃をたたきこむしかない。 だが、これは言ってみれば砲弾の
こめられた大砲の筒先に突っこんでいくようなもんだ。 生半可な覚悟じゃ、 悪魔狩人
は務まらないってコトさ。 ちなみにこいつは腹心と言うだけあって、 ちょっと痛めつけ
たくらいじゃあきらめないしつっこいヤツだ。 ときには背中を見せてやり過ごす勇気も
必要だぜ? いや、 ホントに。

NELO ANGELO
一体ていつは何者なんだ? 鏡のなかから、 まるで俺に生き写しの姿で出てきや
がった、 真っ黒な鎧に全身を包んだ魔界剣士 ------だが、 問題はそんなことじゃない。
身の丈ほどもあるむやみにデ力い剣を振りまゎすその太刀筋は、 まるで俺の剣技そ
のもの、 つまりは俺の親父・魔剣士スパーダと同じ流儀を、この黒い剣士は身につけ
てるってことになる。 もちろん、 悪魔のなかにはひと目見ただけで、 復信したように
相手の動作をマネる能力を持っているヤツだっている。 ただ、 俺にはわかる。 こいつ
は俺の剣技をなぞっているんじゃなく、 共通の流儀をベースに、 時間をかけて自分自
身の剣闘スタイルをものにしてるんだってことが……。弱音を吐くワケじゃないが、
どうやら腕力にかけちゃ向こうのほうが上らしく、それで剣の腕がほぼほぼ互角となるこ、
正面からまともに斬り合ったんじゃ到底勝ち目はない。全力で振り抜く斬撃のスキ
をついて何とか撃退はしたものの、 ビビりもしないでまた勝負を挑んでくるとんでも
ないガッツの持ち主だ。 そう言えばこいつ、 母親の形見のアミュレットを見て、 なぜ
だか急に様子がおかしくなりやがった……だが、 まさかがな。 俺の家族はみんな、 二十
年前のあの日、クソったれな悪魔に殺されたはずなんだ……。


GRIFFON
なあ、 あんたアラビアンナイトは好きがかい? 俺は好きだったな。 殺伐とした魔界
の話とはちがって、 ありゃあ夢があったよ。 とりわけガキの時分にワクワクしたのは、
ゾウもひとつかみにして飛んでいく伝説の臣鳥ロックの話だ! こんな鳥が本当にい
たら、 その背中に乗って大空を翔けてみたいと思ったもんさ。 ところが、 そんな借の
子供時代からの純粋な夢を、 こいつは粉々にブチ壊しやがった。 名前はギリシャ神話
に出てくる魔獣グリフォンだが、 見た目はそれこそ異常に育っちまったスズメで、空
を覆いつくすような巨体はまさしくロック鳥そのものだった。 つまりはあのおときぎ話
も、このいまいましい鳥が大苦に人間界に現れた実話をもとに作られたのかもしれ
ないってことさ。 試しに背に飛び乗ってみたんだが、 こいつが雷を操るせいか肌がピ
リピリしやがって、 あんまりいいもんじゃなかった。 ま、 斬り放題たたっ斬れたのは
良かったんだけどな。 やっぱり夢は夢のままってのが一番なのかもしれないぜ。そ
れから、こいつもファントムと同じく魔帝の腹心で、 よくしゃべるしそれなりに根性
もすわってやがる。 イヤでも何回か、 悪夢のアラビアンナイトが楽しめそうだぜ?

NIGHTMARE
正直、 俺もこの粘つく闇のような化け物を、 悪魔の一種として考えていいのか判断
に迷うところだ。 麿帝が心血をそそいで完成させた魔界の生物兵器で、 その思考回
路も能力も、すべては敵対者を殺しつくすことだけを目的として創られている。 だが、
その結果、 創造者でさえ予想もやつかなかった凶悪な殺戮機械ができ上がったらしく、
無制限に力を解放させると魔界の安定さえ揺るがしかねない人危険な存在になっちま
った。 そこで、 マヌケな魔帝は大あわてで、 こいつを配置した地点には暴走を抑える
ための拘東具-------紋章とリンクして力場を発生させる拘束文様をセットで設置するハ
メになったワケだ。 たしかに非拘束状態のナイトメアの力は凄まじく、 ゲル状の肉体
はあらゆる攻撃を受けつけない。 さらに、 その内部に亜空間とも言うべき異世界を
生成して、こことに引きずりこんだ相手の記憶から生み出した魔物の"影" をけしかける、
まさに悪夢めいた能力を発揮してくる。 だからと言って拘束文様を発動させれは楽騰
ってわけでもなく、 防衛本能が高まって硬質化した巨体から、 さながら軍事兵器のよ
うに多彩な攻撃を繰り出してきやがる。 こいつが暴走して魔界が滅びちまえばいいの
にって、 ホントに思うぜ!

MUNDUS
二千年前に人間界への侵攻をくわだて、今また魔界の扉を開こうとしている悪魔の
帝王。そして二十年前、俺の母親と双子の兄バージルをその手にかけた、いくら憎ん
でも飽き足らないず仇-----そいつが魔帝ムンドウスだ。長い眠りのあいだに十分な魔
力を蓄え、地上侵略のための兵力を組織して準備を整えた魔帝は、どうやらこの計画
の最大の障害は俺だと考えたらしく、侵攻拠点のマレット島まで誘いこんで始末しよ
うと画策しやがった。なぜなら、二千年前にムンドウスを倒し、人間界を守つたのは
俺の親父スパーダだったからだ。魔剣士の血を引く悪魔狩人の俺さえいなくなれば、
ヤツは大手を振ってこっちの世界に出てくることができるって寸法だ。だが、こうい
うのをどこかの国じゃあ「藪をつついて蛇を出す」って言うらしい。おとなしく息を
ひそめて出てくりゃいいものを、わざわざ天敵を連れてきちまったんじゃマヌケとし
か言いようがねえだろ?はっきり教えといてやるが、今回も結果は一緒だ。魔帝ム
ンドゥスはあと一歩のところで、大当たりの仇を見つけた魔剣士ダンテにやられてし
まいました------ってな物語になるのさ。汚ねえワナの報いを受けるそのときを、せい
ぜい首を洗って待ってるがいいぜ!
 
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ReaperHunter

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This is pretty neat. I always did like the notion that Dante was more well read than later games would have you expect. Its also just kind of cool to see what Dante thinks of the creatures he comes across.
 

berto

I Saw the Devil
Moderator
This is pretty neat. I always did like the notion that Dante was more well read than later games would have you expect. Its also just kind of cool to see what Dante thinks of the creatures he comes across.
That's not all I have but I also have to work so this is just a slow start. I'm updating those entrees with their images and then I'll add more stuff this week. Those notes are just the start of what I have. But thanks for commenting. Feels like I'm not talking to myself.

Edit: I have posted a lot of other DMC1 stuff on this subforum if you want to see more. Just look for threads I've started here.
 
Last edited:

berto

I Saw the Devil
Moderator
Back when DMC1 was being developed its official site had a bunch of blog posts (Columns) from the staff where they talked about the game and little tidbits here and there. That site is gone now (http://www.capcom.co.jp/devil/index2.html) but I have those posts saved:

1.新年のご挨拶

新年、明けましておめでとうございます。

皆さん、年末年始はどのように過ごされたでしょうか? 僕は田舎の松本に帰り、のんびり過ごしました、が…。大阪に住んでからは見られなくなった久しぶりの雪景色に、ケバ立っていた心にもしっとり潤いが戻った―と思ったら、バスターミナルで足を滑らせ仰向けに転倒、その衝撃でプライベートのノートパソコンのハードディスクがクラッシュしてしまい…今とんでもなくブルーです。

新年は今週から仕事を再開、現在進めているアツい新タイトルに再び全力を注いでいるのですが、デビルのことだって忘れていませんよ。実は、これまでにチョコチョコと情報をチラつかせていたのは、小説化のことなんです。…でもタダの小説化じゃないですよ。作家の後池田真也氏と直接打ち合わせを重ね、こんなエピソードはどうか、あんな登場人物はどうかとアイディアを出し合い、一緒になって作り上げた完全新作「デビル メイ クライ」なんです。

ゲームをプレーした人は、これを読むことによって更にデビルの世界にのめり込み、またゲームをやったことが無い人は、読み終えた後すぐにデビルを買いにゲームショップへ走りたくなる―そんな作品に仕上がっています。僕がゲームでは描けなかったことを盛り込むだけでなく、後池田氏の斬新な解釈で世界観は更に練り込まれ、ダンテという人物がゲーム以上に生き生きとして見えるので、ちょっと悔しくすら思えます。

…なんてメチャクチャ宣伝しまくって、まるで角川書店さんの回し者のようになってますが、先ほど第一稿を読み終えて、興奮がまだ冷めないうちにこのコラムを書いているので、ついこんな文章になっちゃいました。どういう内容なのかは、ここではナイショにしておいたほうがいいですよね。書店に並ぶ日を、皆さん楽しみに御待ち下さい。

でもね、「プロジェクト デビル」(←勝手に命名)は、まだまだこれで終わりじゃないんですよ、フフフ。



というわけで、今後も何か進展があったら、随時このコラムでお知らせしていきます。それでは今回はここまで!
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イラスト:神谷 英樹






2.雑談

皆さん、お久しぶりです。

最近、なんにも書くことが無かったのでご無沙汰しちゃいましたけど、
このままじゃ忘れ去られてしまうので、何か書いてみようと思います。
と言うわけで…。

先日海外から、デビルの主人公ダンテがGDC(Game Developers Conference)が主催するGameDevelopers Choice AwardsのOriginal Character部門(長い…)にノミネートされたとの連絡がありました。いやぁ、なんだか良く分からないですけど、とにかく有り難い話ではないですか。ノミネートされただけでも大したものです。

そのデビルなんですが、海外での人気が思いのほか良いって知ってました? 欧米の人々は、あんなカンジの設定がツボにはまるんでしょうか。僕自身も欧米の文化にカブれてるところがあるので、本場でデビルが受け入れられたのを大変嬉しく思います。勢いに乗って映画化でもしてくれないもんですかねぇ?

他に、面白そうなデビル情報と言えば…うーん、そうですねぇ。小説のほうは、順調に仕上がって来てるし、M○○のほうでも何かコニョコニョしてるみたいだけど、これはプロデューサーのコバが絶対書いちゃダメって言うに決まってるし…。

そうそう、先日あるデビルファンの方から、お手紙と一緒に同人誌を送っていただきました。こういうのを見ると、デビルがファンの皆さんに愛されているのを強く感じます。スタッフ一同、楽しく読ませて頂きました。ありがとう!

―というわけで…今回はお話が短かったので、特別オマケを付けちゃいましょう。設定本にも載らなかった、ダンテのスペシャルカット(…というか、デザイナーの土林君の落書き)。机を整理してたら、ぺらっと出てきたんです。壁紙なんかに使ってみては如何でしょう? (土林君、カッテに載せちゃいました)

また何か、オマケを探しておきます。それでは!

Blog-2-illstr.jpg

イラスト:土林 誠​





3.祝! ダブルミリオン

えー、皆さん。今回はおめでたいお知らせがあります。
我らが「Devil May Cry」が、ついに全世界で200万本の出荷を達成しました!

出荷本数は、あくまでも数字に過ぎません。僕たち製作現場の人間には、そんな数字よりも、実際にゲームをプレーしたユーザーの「これは面白かった」という声の方が、何より励みになるものです。とはいえ、こうしてダブルミリオン達成という冠が付くと、我が子(ドラ息子?)デビルも立派になったなぁ…と格別の感慨を覚えるものです。

この“格別の感慨”にはもう一つ理由があります。それはデビルが、並居るヒット作の中でも、数少ないオリジナルタイトルだということです。
今や、売上げの上位だけでなく、ユーザー期待の新作にさえも、続編タイトルがズラリと名を連ねています。…そりゃあ僕も、好きなゲームの続編は大歓迎。かつてスーファミのスターフォックス2が発売中止になった時、計り知れない悲しみにガックリ肩を落とした記憶だってあります。しかし、今のように続編タイトルに押されてオリジナルが肩身の狭い思いをしているのは、ちょっと寂しいですよね。そんな状況だからこそ、デビルがオリジナルの底力を見せてくれたことが、格別に嬉しいんです。

僕は現在もオリジナルの開発に取り組んでいるのですが、今の世の中、こうして新しいものに携わっていられるということが、この上なく贅沢で、有難い事だと思えてくることがあります。でも昔のように、シリーズものに勝るとも劣らないパワフルなオリジナル作品が市場を賑わし、皆がそれを楽しみしてくれるような、そんな日がもし帰って来たら、もっと楽しくなりそうなのですが―。

…こんなことを言ってると、デビルの続編についていらぬ誤解を受けそうですが、ユーザーの皆さんの声に応えるのも我々の重大な責務。カプコンだって、これだけ多くのファンの支持を無下に見過ごすことは、さすがに無いんじゃないですかねぇ?スターフォックス・チームの皆さんも、是非最新作を作って下さいね、期待してます。

それではまた!
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イラスト:神谷 英樹




4.Next Step

みなさん、こんにちは。
いやー お久しぶりですね。最近どんなゲームで遊んでますか? 僕が最近遊んだものといえば…ゲームキューブ版「biohazard」。バイオ1といえば、僕がカプコンに入社して初めて携わったゲームです。あれから6年目にして、一体どんな風に生まれ変わったのか、オリジナルのチームメンバーだった僕には人一倍興味がありました。実をいうと僕は、これまでのバイオシリーズの中では、自分が携わった「バイオ1」「バイオ2」の二つしか遊んだことがないのです。そして、そのどちらも、完成する頃にはアイテムのセット位置も敵の位置も、何もかも知り尽くしていたため(当然なんですけど…)、テーマである“恐怖”を心底体験することがありませんでした。

今回の「biohazard」も、単に“どうアレンジされているか”という部分ただ一点に興味があり、手を出してみただけなんです。ところが…部屋の電気を消し、一人でプレイしてみると、メ、メチャ怖い! もう、部屋にゾンビが立ってるだけでコワい。トゲの付いた像があるのもコワい。風見鶏がクルクル回ってるのもコワい。そして何が一番コワいって…遠くのほうからエラい勢いで爆走してくるクリムゾン・ヘッドが、全身の毛穴が弛緩するほどコワい!! 猛然と迫るソイツを振り切って小部屋に逃げ込んだ時には、足をバタバタさせて「怖エェー!!」と大ハシャギしてしまいました。…思えば、初代バイオがゲームショウで衝撃デビューを果たした時、テストプレイをしていた少年が、突然のゾンビの攻撃にビビッて派手にのけぞり、まわりを気にして耳を真っ赤にしていましたが…そうか、当時のユーザーはこんな気持ちだったのかと、初めて実感しました。

初代バイオを作っていた時には、「このゲーム、ユーザーとして遊びたかったなぁ…」と思ったものですが、やっとその夢が叶いましたよ。ちなみにクリス編を一回だけクリアして、今は封印してあります。もう暫く、恐怖の記憶を反芻して、余韻に浸るつもりなのです(笑)。

おっと…そんな話をするのが目的じゃありませんでした。“プロジェクト デビル”第一弾! デビルの小説が、5月1日ついに発売になります。このコラムの一回目でも紹介しましたけど、面白く仕上がってますよ! ダンテの暴れっぷりが派手過ぎて、笑ってしまいます。小説読んだ後、「ゲームの方もこれくらいやっておけば良かったなぁ…」と悔しくなりましたよ、ホントに。…クッソー 負けてられませんね。

そしてもうひとつ。デビルのコラムは、今回で最後です。う~ん、発売してだいぶ経ってもデビルを支持してくれる声は衰えず、僕も書いていて楽しかったです。現場での作業だけでなく、こうしてコラムを連載したことは非常に楽しい思い出になりましたが、発売から半年以上経ったデビル メイ クライ、ここで暫くお別れです。ちょっと寂しいですけど、何事も次のステップへ進んでいくことが大切ですからね。

…というわけで、僕はもう次のプロジェクトで、新しいスタッフとともに日夜頑張っているところです。いま、ダンテに負けないニューヒーローが、モニターの中で暴れまわっていますので、近々ご紹介できると思いますよ。小説で始まった「プロジェクト デビル」もまだ続きますが、このニュープロジェクトも楽しみにしていて下さいね。

それでは、デビルを愛してくれた皆さん、本当にありがとうございました。いつの日か、ダンテがよりスーパーになって帰ってくる日まで、さようなら。そして、さらに熱いヒーローが鮮烈デビューする日もお楽しみに!

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イラスト:神谷 英樹​
 
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Lain

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This is all very interesting, it's been cool to read through it all. :thumbsup:
 

berto

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1.はじめまして

初めまして、「Devil May Cry」のディレクター、神谷英樹です。
このコラムを担当することになりました。制作作業も佳境を迎え忙しくなってきましたが、毎回何か面白いことを見つけて、書いていきたいと思います。

まず今回は、「デビル」の名前の由来に付いてお話します。
ご存知の通り、最初は「バイオ4」として開発が進んでいた「デビル」ですが、途中で完全オリジナルに切り替わり、新たなタイトルが必要になりました。

せっかくのオリジナルタイトル、何か良い名前を付けてやろうと考えたのですが、どれも決め手に欠けて、なかなか決まりません。
散々考えたすえ、「Devil May Care」が第一候補に上がりました。
「向こう見ずの」「意に介さない」という意味で、荒っぽいダンテのイメージにピッタリ! …と思っていた矢先、同名の映画が存在することが判明、あえなく却下に。世界観を考えて、「Devil」という単語はどうしても使いたかったのですが、「バイオ」とイメージが重なるという理由で、それすら消え去りかけた時も。しかし、語感だけでなく、深い意味のあるタイトルを!…と考えつづけました。

難産だったこのタイトル、個人的には非常に気に入っています。

“悪魔も泣き出す”スゴ腕デビルハンター、ダンテ。しかし、もっと大切な“涙”の物語が、あるはずです。

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イラスト:神谷 英樹​



2.新しいバイオ

「デビル メイ クライ」は当初、プレイステーション2用バイオ最新作として開発がスタートしました。この「高性能の最新ハードで作るバイオ」に対し、更にプロデューサーの三上から「新しいバイオにしてくれ」という命題が提示されました。「新しいバイオ」…この言葉にスタッフは胸をときめかせ、その答えを求めて検討に次ぐ検討の毎日へと突入して行くわけですが…。

その答えは容易に出るものではなく、メインテーマを確立するまでの道のりは困難を極めました。しかしバイオ1、2の制作に携わって来て、自分でも「新しいことがしたい!」と思っていた僕には、明確にやりたいこと思うことがありました。それはフルポリゴンによるビジュアルの表現です。

自由自在なカメラワークという動的な画面によって、バイオのイメージを一新したかったというのもありますが、それ以上に「固定カットの遠くのほうに写ってる主人公じゃカッコ良くない! 敵に向かって銃を撃つ主人公の勇姿を、カッコよく演出したい!」という思いがあったためです。

ここでピンと来ました。「ん…“カッコいい?” そうか、戦いを面白く、そして何よりカッコよく見せる事を前面に出してはどうだろう? 三上も“恐怖”をテーマにしなくてもいいと言ってたし、今回のテーマはこれだ!」 …こうして、カッコいいゲーム作りが第一歩を踏み出したのです。



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イラスト:神谷 英樹​



3.体験版

皆さん、こんにちは。
やっと「デビル」の体験版が完成しました! ここまで来る道のりの、なんと長かったことか…。この体験版、PS2の「ベロニカ完全版」に付属するので、皆さん是非遊んでみて下さい。

ところで「ベロニカ完全版」に付属といえば、先着順でもらえる「ウェスカーレポート」というオマケDVDもあるんですが、その中の「バイオシリーズ歴代ディレクター対談」という企画の撮影を、会社の近くのショットバーを借りて行いました。

その日の撮影スタートは午後1時から。三上を中心に、バイオ3の青山(新婚)、ベロニカの加藤(健康マニア)、そしてプログラマーの唐津麻(やたらと人に酒を飲ます)というメンバーです。

みんなカメラが回る前から酒を飲み始め、良い具合に。酒はタダ、しかも仕事中。小学校の時、学校の近くの牛乳工場に見学に行って、おみやげにマミーをもらってきて飲んだ時のようにウキウキして来ます。そういえば会社を出る前に、プロデューサーの小林が「あんまり飲むな」と言っていましたが、親の留守には宿題をしない、というのがモットーだった僕にとって、そんなのムリです。

座談会は最初からパワー全開、「バイオ ハザード」開発初期の頃の思い出で大盛り上がり。そして?ネんだかムニャムニャして来て…目が覚めたら座談会終わってました。あれ?oイオ2のハナシは…?



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イラスト:神谷 英樹​



4.ピアノ

学生の頃、僕をシビレさせた、イカした友人がいました。今回はソイツの事について書きましょう。

16歳の頃、学校の行事で「青年の家」に合宿に行った時のこと。
施設に到着するなり、僕は友人数人と建物内をいろいろ見て回る事にしました。このイヌのような習性を持つ当時の友人達は、みな髪の毛が茶色だったり、学生服の丈が短かったり、ズボンにタックが幾つも入ってたりするような、愉快なヤツらばかりでした。

そのうち僕らは体育館を見つけ、早速バスケをやり始めました。
赤や茶色の髪をしたヤツらが入り乱れる超絶バスケです。僕ともう一人の友人は、特にバスケに興味がなかったのでコートの外で見ていました。ちなみにその友人も、パツキンで紫色のベルトをしている系のヤツです。するとソイツは、体育館の片隅にピアノがあるのに気付きました。そして次の瞬間、信じられない行動に出たのです。
「おっ ピアノあんじゃん」そう言って椅子に腰掛けると、流暢にピアノを弾き始めるではないですか!いつもは屋上で、タバコの吸殻を学校の敷地外に必死で投げ捨てているソイツが、造作もないといったふうな態度で、それもジョージ・ウィンストンの「あこがれ/愛」を。

…カ、カッコいい!! 男も惚れるカッコよさ。「デビル」もそうありたいものです。夜露死苦。


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5.発想のいきさつ

よく「何から発想のヒントを得たのか?」という質問を受けますが、これは中々難しい質問です。僕は映画が好きで割りとよく見ますし、漫画も読みますが、好きな映画や漫画のどれか一つをモチーフにした、ということはありません。きっと印象に残ったいろんな映像やストーリーを、自分なりのやり方で料理しているのではないかと思うのです。

デビルについても、この質問の答えをちょっと考えてみました。
まずナゼ魔界なのか? 悪魔と言えば、剣や魔法で応戦するのがファンタジーの定石。でも、さすがのヤツらも現代兵器を喰らえば、タダじゃ済まないだろう…ということは、魔法なんか使えなくても悪魔と渡り合える! そう考えたら、とてもワクワクして来ました。
オオカミ男やドラキュラも、グレネードを喰らったことはないでしょう。悪魔の血を引きながら、両手で銃を撃ちまくるダンテも、「伝説の魔剣士」と呼ばれたオヤジが見たら仰天モノです。

では“古城”という舞台は? 城とは本来、厳かで威風堂々とした佇まいがあります。しかしその中を走りまわり、派手なBGMに乗って、悪魔相手に銃や剣で大暴れする魔人ダンテ…想像したら、これも実にワクワクするではないですか!

特に斬新さや奇抜さを狙ったわけではありません。Devilには、僕自身が楽しそうでワクワクすることを、素直に盛り込んでみたのです。



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6.モンスターご紹介

ついに体験版が出ました!! Devilの記事も、いろいろな雑誌に載り始めましたが、ここではせっかくのコラムですから、雑誌の紹介記事では読めないコトを書いてみましょう。

体験版には、大きく分けて3種類のモンスターが出てきます。まず一番最初に現れるのが、大きな人形の“マリオネット”。コイツはもともと生身の肉体を持った人造人間としてデザインしたのですが、生き物が動くのはフツーだし、せっかくの魔界の住人なんだから…と人形に変更。「じゃあ糸も付けよう」ということになり、木製の操り人形となりました。

次にカマやハサミを持ち、フワフワ飛びまわる死神のような悪魔の「SIN(罪)」。コイツらは、プログラマーの唐やん(本名 唐津麻)が「空を飛ぶヤツが欲しい」とワメくので、じゃあ死神を出そう!と単純に思いついたヤツです。浮いてるのでモーションをケチれる計画だったらしいのですが、凝り出してたら結局膨大な量に増えました。

最後にボスモンスターの「ファントム」。コイツも最初はただ単にクモをデカくしただけのヤツだったのですが、スタッフが「口から火の玉を吐かせたい」と言い出したので、「…じゃあ外骨格の中身を溶岩にしよう」と急遽変更。グツグツいう効果音や、蜃気楼のような灼熱の効果も追加し、迫力のモンスターに生まれ変わりました。


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イラスト:神谷 英樹​
 
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berto

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7.BGM

デビルのように“動き”が命のゲームは、雑誌などの静止画像では本当に感じて欲しい部分が抜け落ちてしまい、非常に歯がゆく思います。BGMや効果音など、“音”という要素も伝えきれないことの一つ。今回はデビルのBGMについて話してみましょう。

デビルの音楽として最初に思い浮かべたのが、古城に流れるバロック音楽。魔界という世界観にもバッチリです。…しかし主人公のダンテはアメリカ人。両手にオートマチックの2丁拳銃というスタイルで、世界観のワクを飛び越えた激しいヤツ。そう、このキャラクターを演出するにはもう一つ、バロックとは違った、激しくて新しい感覚の音楽が必要でした。

全く違う2つのタイプの音楽…どちらも必要で、どちらか一方では成り立たない?では両方入れてしまってはどうだろう? と考えました。バロック音楽が流れている中、ひとたび戦闘が始まると、ド派手なハードロックが流れ出す…うーん、カッコイイ!

早速サウンドスタッフと打ち合わせ。担当は、バイオ2でも一緒に仕事をした上田君です。思考錯誤の末にうまれた曲は、デビルの方向性を示す見事なものでした。続くスタッフもカッコいい曲を次々完成させて来て、今ではチェックするのが楽しみな毎日です。

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イラスト:神谷 英樹


8.モーション

体験版も発表になり、デビルに対するユーザーの生の声もチラホラ聞かれるようになりました。今回は、ユーザーからも「カッコ良い!」と評判のプレーヤーのモーションについて書きましょう。

モーションアニメーションのスタッフにダンテのキャラクターを正確に掴んでもらうため、僕が“カッコ良い”と直感する魅力的なキャラクター像を作ることから始まります。デビルのテーマは“カッコ良さ”の追求にありますが、主人公ダンテがカッコ良いかどうかで、そのテーマの90%が決定されます。僕が最もこだわったのは、ダンテが余裕たっぷりに戦いに望むという態度。悪魔の血を引くダンテは、体を切り裂かれても平気で起き上がり、モンスター相手に片手でショットガンをブッ放す。戦いの最中は頭の中に激しいROCKが鳴り響き、不適な笑みを浮かべて暴れ回る…そんなイメージを、僕は“カッコ良い”主人公像として思い描きました。

後はもう、モーション担当スタッフと実際にポーズを演じながら、より具体的に詰めて行きます。ダンテのモーションは、何度も何度もゲーム画面に出してみては作り直す、という作業の繰り返し。大変な作業でしたが、スタッフは見事、僕のイメージを上回る強烈に個性的なダンテ像を作り出してくれました。

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イラスト:神谷 英樹



9.背景

デビルの開発当初から、僕は「今回の背景はフルポリゴンで行こう」と考えていました。一枚絵のクオリティよりも、カメラの動きが必要だったからですが、実際にフルポリゴンの背景が出来上がってくると欲が出てきて、「え~…バイオの方が絵がキレイだったじゃん!」と背景スタッフに無理難題を。

背景制作の指揮をとっていたのは、バイオ2でも一緒に仕事をした田崎淳也(通称ジュニア)です。彼を中心にフルポリゴンならではの技術を模索し、レンダリングしたCGに引けを取らない背景が実現すると、今度はそのクオリティを維持するために、更に大量のテクスチャ素材が必要になってきました。

そこで計画されたのが、素材収集のための取材旅行。ゴシック調の彫刻物や、風化して苔むしたリアルな(というか本物の)レンガの壁、石畳、扉などを写真に収めるため、イギリス・スペイン11日間の旅に出ました。

“旅行”と聞いてうらやましく思う人もいるかもしれませんが、スペイン国内を超特急に乗って、一日で東京・大阪間の距離を往復するような、とんでもない強行軍だったのです。しかし苦労の末に手に入れた素材、そしてヨーロッパの空気に触れた経験は、ゲームにすばらしい効果をもたらしたと思います。


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イラスト:神谷 英樹​


10.シナリオの話

シナリオ考案が始まったのは1年半ほど前。当時は、タイトルがまだ「バイオ4」だったので、メインテーマの“カッコ良さ”をバイオの世界観に盛り込む方向で進めました。「人知を超えた能力を持つ不死身の男」という主人公像は、この時に出来上がったものです。バイオの世界ですから、超人的能力はバイオテクノロジーが下敷きになっていて、その体の謎を解くことも物語の柱として盛り込まれていました。

しかしオリジナルタイトルへの変更に伴ない、シナリオも書き直しに。個人的にはバイオの世界で暴れる超人の主人公がかなり気に入っていたのですが…世界観を魔界に変え、自由に書き直してみました。

「ダンテ」という名前が決まったのもこの時で、科学で説明できる“超人”などではなく、もっと付き抜けた、それはもう悪魔のように強いヤツにしてはどうだろう? 難しいことは抜きにして、主人公の強さ、カッコ良さを純粋に楽しめる、単純明快・勧善懲悪なストーリー! 魔界の悪者VS悪魔の血を引くダークヒーロー。しかもそいつは、かつて伝説と謳われた最強魔剣士の血を引く男! 言うこと聞かない悪いヤツは、ブッ飛ばして力でねじ伏せる!

た、楽しい、コッチの方がいい!
僕はたやすく、デビルの世界にのめり込んで行きました…。

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イラスト:神谷 英樹


11.ミッション制

『デビル』の情報公開が再開しました! 体験版から○ヶ月の間に進化した部分がたくさんあります。その中でも、体験版には無かった全く新しいものが「ミッション制」というシステム。

実は、当初はデビルも「バイオ」と同じように、部屋から部屋へと進んで行くタイプのゲームとして制作を進めていました。しかしデビルの目指す方向性は、派手で爽快なハードアクション。次から次へと現れる強敵を、撃って斬って蹴って殴って倒して行くのがメインで、それに没頭していると、広大なマップの中でいちいち「あれ、このアイテムどこで使うんだっけ?」なんて事を記憶しておくのは、とんでもなく面倒臭い!

…というワケで、丁度いい時間を遊べるような小目的を作り、その中で存分に戦えるようなシステムに変更してみたのです。プレーヤーの行く手を阻む仕掛けも、パズルのようなものではなく、アクションテクニックで乗り越えて行くタイプのものがメイン。このシステムで、デビルは更にスピーディでテンポが良くなり、「カッコ良さ」に一層の磨きがかかりました。

ところで、ボリュームは当初の予定の倍ほどに膨れ上がってます。
一日一クリアできるような、サクッと遊べるゲームにするハズだったんですけどね…おかしいな。

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イラスト:神谷 英樹​



12.ストーリー

僕は、特に変身ヒーローものが好きだという事は無いんですが、自分の好みの「燃える戦いのシチュエーション」を考え始めると、そういうものに近くなって行くみたいです。

最近、入社後の研修中に書いた「戦え! ポーズマン」の企画書を机の奥から見付けました。変身ヒーローの主人公を操って敵を倒して行く横スクロール・アクションゲームなのですが、読んでいて思わず笑ってしまいました。
悪の組織から奪ったパワードスーツを着込み、銃と剣、そしてパンチとキックを武器に戦って行く。互角の力を持った、黒いパワードスーツのライバルが高い所に仁王立ちして登場するシーンもあれば、数十メートルもの巨大なラスボスまで登場します。
ウリは、意味も無くカッコいいポーズをキメることが出来る「ポージングシステム」! いつでもどこでも、思う存分ヒーローを演じて悦に入ることが出来るという素晴らしいシステムです。

書いた本人も忘れていた企画書ですが、入社当時から、こんなのがやりたかったんですね。知らないうちにデビルにも影響が及んでいたみたいです。

共通点は“ベタベタだけど、燃えるものは燃えるじゃん!”というところ。
奇を衒わず複雑でもなく、ヒーロー気分に浸って何度も何度も楽しめるような、そんなストーリーがいいじゃないですか。


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イラスト:神谷 英樹​
 

V's patron

be loyal to what matters
# 12 is the seed of the Wonderful 101 being planted;).

I think people misused the word "character" while they mean "personality". "Character" is more what you do under pressure while "Personality" is more about observable traits or initial reactions.

To be fair if Dante lacked a noticeable personality in 1 I doubt Dante would be as loved as he was.
 

berto

I Saw the Devil
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13.マスターアップ!

ついにゲームが完成しました!
いやー長かった…。これまでの道のりには、いろんな事がありました。
デビルは正に僕の青春と言っていいでしょう。そんな事はどうでもいいか。

完成と言っても、楽しい事ばかりではありません。
マスターアップが近付いてくると作業はデバッグに移行するので、基本的にデータ更新はストップとなります。ヘタにデータを触って新たなバグが出ないとも限らないので当然のことなのですが…「あっ、ちょっとここ直したい!」とか「こんなの入れよう!」というのがお終いになる、一番ツラい時期です…。

作っている最中は、それはそれは楽しい毎日です。
思い浮かぶアイディアをスタッフ皆で試行錯誤し、新しいものが画面に出るたびに「うおー!」「スゲー!」とモニターを取り囲む…なんと楽しい日々でしょう!
…そんな日々は、もう帰ってこないのです…。

…しかし気になってたまらない部分が出てくる度に、僕はデータの差し替えを頼み込みました。
「これが最後! ホントに最後だから!」
「…君の最後はいつまで続くの?」
こんなやりとりをしながらも、メインの坂田君をはじめとするソフト陣は、出来る限り対応してくれました。企画、キャラ、サウンドも然り。デバッグ作業に追われながらも、より高い完成度を目指してギリギリまで作業をしてくれたスタッフ全員の力無くして、デビルの完成は無かったのです。

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イラスト:神谷 英樹​



14.「見所」

最近ネットで、デビルについて「あの映画に似てる」とか「あの漫画に似てる」などという意見を見かけますが、「64ゼルダに似てる」と気付いた人は、意外と少ないのではないでしょうか。
…と制作者が言うのもなんですが、操作方法の面で64ゼルダは随分と研究させて頂きました。
「狙う」という動作は「バイオ」譲りですが、敵を狙ったまま軽快に動ける操作を模索している段階で、ゼルダを遊びながら検討材料にしたのです。
ちなみに戦闘が始まるとBGMが変わるのもゼルダの影響。
デビルでは「中世の城」+「ブレイクビーツのBGM」というミスマッチの妙を狙い、戦闘開始と同時にBGMがクロスフェードして入れ替わります。映画「ロミオ マスト ダイ」では、カンフーアクションにヒップホップのBGMという組み合わせでしたが、そういうの大スキです。その他、映画では「ビッグヒット」が大スキ。
ブレイクダンスのように回転しながら銃を乱射するアクションが印象的でしたが、悪魔にネリチャギをカマすダンテも負けていないのではないでしょうか。漫画なら「コブラ」「ジョジョ」かなぁ。
そうそう、スターフォックス64の燃えるシナリオも、数あるゲームの中でマイベストです。

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イラスト:神谷 英樹​



15.「戦闘」

デビルのテーマである「カッコ良さ」は、実はプレーヤーに託されているのかも知れません。ダンテのアクションは様々ありますが、カッコ良いダンテになるかどうかはプレーヤーの腕次第ですからね。
“自由自在にダンテを操る”…それがデビルをプレーする際の命題です。
それは攻略のためにも必要なのです。
攻略の秘訣は、まずは効率良くコンボを決める事。
同じ技ばかり使うのではなく、いろんな技を織り交ぜることで、コンボの評価はより高くなります。また敵…特にボスの攻撃は熾烈ですが、彼らはデタラメに暴れ回っているのではなく、良く見れば予想出来る動きをしているのが分かります。闇雲に剣を振り回さず、まずは逃げ回って相手の動きを観察するくらいの余裕を持って下さい。最初に出てくるファントムだって、慣れたら鼻歌混じりで翻弄する事が出来ます。
ノーダメージで倒す事だって出来ますよ。
デビルには、古き良き時代のゲームのテイストをふんだんに盛り込みました。
“攻略法を見付ける楽しさ”。そのゲームの醍醐味を、是非味わって欲しいと思います。

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16.「演出」

デビルのドラマシーンは、基本的にはムービーを使わずリアルタイム表示にこだわっています。
その理由は、ゲームシーンとドラマシーンとのギャップを無くしたかったから。
バイオ2の頃から、ゲーム中とムービーパートの映像のチグハグ感が気になって仕方なかったのです。ゲーム中の映像をムービーのクオリティに近付けるという選択肢もありますが、“動きが命”のデビルは60フレーム描画にこだわっており、そこだけはどうしても譲れないので、ある程度映像のクオリティは妥協しなくてはならないという事情もありました。
理由はもう一つあります。
高性能マシンでレンダリングした映像をただ垂れ流すより、PS2のCPUが一生懸命働いて、せっせと映像を描画するという、ハードの頑張りが感じられるやり方が僕は大好きなのです! ユーザーにしてみれば、キレイな画面を見られればそんな事はどうでもいいかも知れませんが、僕は「嗚呼、PS2頑張ってんなァ」と感じる瞬間がたまらなく気持ちいいんです。
厳しい制限の中 その限界に挑戦する。
そんな男らしいゲーム、最近無いですねぇ…。

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イラスト:神谷 英樹​



17.ファイナル

3年前にバイク事故で骨折した足の治療のため、ゲームアップと同時に入院しました。
看護婦さんに「キャーッ!デビル作った人なのォ!?」とどれだけチヤホヤされるのか、デビルの発売日を待つ以上に胸躍っていたのですが、デビルの事なんか誰も知らず、面白イベントも何にもナシ。何なんでしょう。でも順調に回復し、何とか発売日前に退院することが出来ました。やっぱり最高の愛情を注ぎ込んだ“我が子”ですから、その誕生の瞬間に立ち会って、楽しみにしてくれている皆さんとも喜びを分かち合いたいですよね。

「フラれて2ヶ月仕事しない事件」「バイク事故で入院して開発頓挫事件」「入院中看護婦さんと良いカンジになる事件」「これはバイオじゃない事件」・・・。20代のラスト数年を惜しみなく注ぎ込んだデビルには、忘れられない思い出がいっぱい詰まっています。今までに幾つかの開発に関わってきましたが、これほど思い出深い作品はなく、これからも無いかも知れません。僕にとってデビルは、「そう、あれはデビルを作ってる頃じゃった・・・」と孫に人生を語る時の枕詞にもなるような、そんな意味深い作品なのです。

今は既に、デビルとは違う新しいゲームの構想に取り掛かっています。
今回培った経験を生かし、デビルを愛してくれた皆さんに更なる興奮と感動を届けるべく、味のあるゲーム作りの姿勢を貫いて行きたいと思います。
それでは皆さん、またスタイリッシュなゲームでお会いしましょう!

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イラスト:神谷 英樹​
 

berto

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In 2012, when DmC was just a year away, Capcom first released DCM 1-3 in HD for the PS3 and 360. At the time DMC had just turned 10 and for the occasion Famitsu did a small expose on the games official site where they talked to a few people and asked them for their input on DMC. I don't remember who they were but you can always look them up.

The first section was only to introduce the games. There are pictures but they're nothing essential. Just covers.

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2001年8月23日にプレイステーション用ソフトとして発売され、ちょうど10周年にあたる『デビル メイ クライ』シリーズ。激しくも華麗なアクションをシンプルな操作でくり出すことができる"スタイリッシュアクション"というジャンルを確立し、全世界でシリーズ累計販売本数1,000万本以上を記録している人気作だ。
1回目となる今回は、週刊ファミ通編集者がシリーズタイトルのストーリー部分を中心に紹介。全世界のゲームファンを魅了した『デビル メイ クライ』シリーズの10年の歴史を振り返る。


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いまでも、最初に彼を見たときの衝撃は覚えている。 当時、私はファミ通PS編集部に所属していて、カプコン担当の先輩編集者に連れられ、"新作の発表会"に赴いた。そこで流されたトレーラーの、スタイリッシュな演出、楽曲、そして洋画にでも出てきそうな主人公に、私はすっかり参ってしまった。そして帰社してすぐ、自分に記事を担当させてくれと、先輩編集者に頼み込んだのだ。
 ……とまあ、美しい思い出風に書いてみたんですが、要は本作のスタイリッシュっぷりに、すっかりヤラれちゃったという話。その後若輩ながら無事に記事を任され、体験版を経て、製品版をどっぷりと遊び尽くしたという、私にとって思い出深い1本なんです。

 『デビル メイ クライ』は、剣と銃を得物とする悪魔狩人のダンテが、"マレット島"にそびえる古城に乗り込んで悪魔を倒していくアクションゲーム。ストーリーはシンプルながら、謎の美女トリッシュや、ダンテの家族に関するエピソードなどもあり、ドラマを楽しむこともできます。また、バトルでは、以降のシリーズ作にも引き継がれた"カッコよく戦うほど評価が上がる"という斬新なシステムを実装。戦闘の難度は高めながら、敵がどれも個性的で、それをいかにカッコよく攻略していくのがすっごく楽しい! 探索や謎解き、やり込み要素もバランスよく織り交ぜられていて、いま考えても稀有な作品だったと思います。

 で、その『デビル メイ クライ』がHD化されるですと!? ゲーム内容は折り紙付きだけに、ビジュアルの進化を伴ったら、さらにのめり込んでしまうのは必至。遊び応えのあるアクションゲームを求めている人は、ぜひプレイしてみてほしいですね。


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【ダンテ】
伝説の魔剣士・スパーダを父に持つ悪魔狩人(デビルハンター)。どんな依頼も引き受ける便利屋"デビル メイ クライ"を営む。母親・エヴァと双子の兄・バージルの仇を遂げるべく、悪魔狩りを続けている。



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 スタイリッシュアクションを大幅に強化して登場した『2』。壁を駆け上がるウォールハイクや、空中から真下の敵に銃弾を浴びせるレインストーム、銃で2方向を同時に攻撃するトゥーサムタイムなど、これら『2』で加わったアクションは以降の作品にも引き継がれています。つまり、それほどで完成されたものだったということですね。純粋に敵とのバトルを楽しめる"Bloody Palace"モードが登場したのも今作ですね。また、ダンテ編とルシア編のふたつがあり、パワー重視のダンテとスピード重視のルシアの、タイプの違うアクションが楽しめるのも魅力のひとつとなっています。

 アクションが大幅にパワーアップし、よりスタイリッシュなバトルが可能に! なんですが、あまりいろいろなアクションを使った記憶がありません。攻略記事を作る仕事柄か、魅せるプレイよりもシンプルで堅実なプレイのほうが好きなんですよね。ちょっと『デビル メイ クライ』シリーズのウリとは真逆になっちゃいますが。

 そんなオレですが、Sランククリアーにはハマりました。ミッションセレクトで挑戦しやすくなったほか、クリアー時にクリアータイム、獲得レッドオーブ数、スタイリッシュアベレージ、被ダメージ、アイテム使用回数の5項目が表示され、評価が明確になったのが大きいですね。レッドオーブとスタイリッシュランクをどこで稼ぐのかを考え、ミッションの流れを構築する。Sランククリアーに挑む楽しさを教えてくれた作品です。これから遊ぶ人もぜひ意識してみてもらいたいところですね。

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【ダンテ】
父であるスパーダの伝説を追い求めている"ダンテ編"の主人公。便利屋"デビル メイ クライ"に、ルシアの母でデュマーリ島の"護り手"でもあるマティエからひとつの依頼が届く。

【ルシア】
"ルシア編"の主人公で、今作のヒロイン。聖と魔が溶け合う島、デュマーリ島の祭祀長。神々をも討つ力を備えた戦士で、"護り手"と呼ばれている。



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 『デビル メイ クライ3 Special Edition』『デビル メイ クライ3』は主人公のダンテと、双子の兄であるバージルとの対立が軸になる物語で、舞台は父親のスパーダが魔物を封じたというテメンニグルという巨大な塔です。簡単に言うと、スケールのデカイ兄弟ゲンカです。それにヨソの家庭の親子ゲンカも加わってきます。

 『デビル メイ クライ3 Special Edition』と『デビル メイ クライ3』のストーリー部分に関する違いは、バージルでプレイする"バージルモード"のオープニングムービーが追加されている程度。話の流れに関しては『デビル メイ クライ3』とほとんど同じですが、『デビル メイ クライ2』で好評だった"ブラッディパレスモード"や海外版で搭載されていた難易度"Very Hardモード"などが追加されているなど、システム面で大幅なパワーアップを遂げています。

 この作品では、シリーズでもっとも古い時代の話で、シリーズ中いちばん若いダンテの姿が描かれます。ダンテといえば、クールで渋いというイメージですが、本作に登場する彼は、テンションが高くノリが軽い男という感じ。奇声を上げながらバイクを乗り回したり、ひとりでギターライブを始めたり、『デビル メイ クライ2』での落ち着いたダンテを知っている人なら、違和感を感じるかもしれませんが…。そんな彼が、バージルやヒロインであるレディとの関わりを経て、精神的に成長していきます。彼がデビルハンターという生きかたを決めるのもこのころ。道中のムービでは、カッコいい戦いのシーンだけでなく、ダンテの心の動きにも注目ですよ。個人的には、カッコよすぎて隙がないダンテよりは、ちょっと抜けている本作のダンテのほうが、人間味があって好きなので、あまり落ち着かないでほしい気もしますけどね。


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【ダンテ】
父の形見の剣と2丁のカスタム銃を持つ。人間を遥かに超えた魔の力と悪を憎む心を父のスパーダから受け継いでいるが、軽い性格でふだんはふざけた調子を崩さない。

【レディ】
ヒロイン。人間の女性でありながら驚異的な鍛錬と固い信念によって常人離れした戦闘力を身につけた悪魔狩人(デビルハンター)。ダンテを敵視している。

【バージル】
ダンテの双子の兄。ダンテと同じく、魔剣士・スパーダと人間の血を受け継ぎながらも、悪魔として生きる決意を固める。目的のために手段を選ばない非情なまでの冷徹さを持つ。


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 いままでシリーズの主役を張ってきたダンテに換わって、ネロという新しい主人公が登場する『デビル メイ クライ4』。フォルトゥナという城塞都市にある、魔剣士スパーダを崇める宗教組織"魔剣教団"を相手に、ネロとダンテが立ち向かっていくという話です。 開幕早々、悪そうなダンテが登場し、教団の教皇と兵士たちを倒すシーンから始まるため、一瞬、「今回のダンテは悪者?」とも思いましたが、すぐにダンテが倒した兵士たちが悪魔だと判明します。ダンテが躊躇なく斬っていたので予想はついていましたけど、ネタバラしはもう少し後でもいいんじゃないかと(笑)。このわかりやすさが『デビル メイ クライ』シリーズのいいところでもありますが。それにしても、新主人公&ヒロインは、いままでのダンテ&歴代ヒロインとはまったく違いますね。ヒロインを救うためだけに行動する主人公と、主人公を待つ女の子らしいヒロイン。純粋すぎるふたりに対して、もう少し毒気が欲しいと感じてしまう僕は、どこかで道を間違ってしまったんでしょうかね?

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【ネロ】
その実力から周囲に一目置かれている"魔剣教団"の若き戦士。厭世的で皮肉屋、周囲との協調性に欠け、単独行動をなによりも好む節があり、教団騎士の中でも"汚れ仕事"を命じられる傾向にある。

【ダンテ】
悪魔も逃げ出す最強の悪魔狩人(デビルハンター)。フォルトゥナ島に突然現れ、魔剣教団の人間をつぎつぎと虐殺していく。

【キリエ】
教団騎士の団長を兄に持ち、"魔剣祭"と呼ばれる大祭において歌姫を務める。生涯孤独のネロと家族同然に過ごした経緯があり、ネロにとっては姉のような母親のような存在。


This part was just info & pricing on the DMC media. The light novels, anime and manga.


多様なメディアミックス展開で世界が広がる
ゲームだけにとどまらず幅広くメディアミックス展開されてきた『デビル メイ クライ』シリーズ。小説版『Devil May Cry(デビル メイ クライ)』(角川スニーカー文庫)では、ダンテ愛用の拳銃"エボニー&アイボリー"の誕生秘話が、コミック版『デビル メイ クライ 3 code:1 "Dante』(メディアファクトリー)では、ゲーム版『デビル メイ クライ3』へつながる重要なカギが隠されたオリジナルストーリーが描かれている。また、アニメ版『Devil May Cry(デビル メイ クライ)』ではカプコンがシナリオを監修。ゲーム版『デビル メイ クライ』の少し後、『デビル メイ クライ4』の前までのストーリーが描かれており、『デビル メイ クライ3』からのキャラクターも登場する。このように、小説、コミック、アニメではゲーム内ではとくに語られていない『デビル メイ クライ』の世界を楽しむことができる。

【小説版】

■Devil May Cry(デビル メイ クライ)
著:後池田真也/監修:カプコン/イラスト:三輪士郎/2002年4月27日発売/600円[税込]/角川スニーカー文庫

■Devil May Cry 2(デビル メイ クライ 2)
著:後池田真也/監修:カプコン/イラスト:瑚澄遊智/2003年12月1日発売/580円[税込]/角川スニーカー文庫

■デビル メイ クライ4 -Deadly Fortune-1
著:森橋ビンゴ/監修:カプコン/ストーリー協力:安井健太郎/イラスト:THORES柴本/2009年4月1日発売/600円[税込]/角川スニーカー文庫

■デビル メイ クライ4 -Deadly Fortune-2
著:森橋ビンゴ/監修:カプコン/ストーリー協力:安井健太郎/イラスト:THORES柴本/2009年7月1日発売/600円[税込]/角川スニーカー文庫



【コミック版】

■デビル メイ クライ 3 code:1 "Dante"
作画:茶屋町勝呂/2005年2月10日発売/700円[税込]/メディアファクトリー

■デビル メイ クライ 3 code:2 "Vergil"
作画:茶屋町勝呂/2005年7月23日発売/700円[税込]/メディアファクトリー



【アニメ版】

■Devil May Cry Blu-ray Disc Box
2009年7月24日発売/21000円[税込] /メディアファクトリー



This part is just a glossary of DMC related terms. Don't see anything anyone here wouldn't know.


『デビル メイ クライ』シリーズのカギを握る重要用語集

【オーブ】
魔族の血や生命力などが凝縮してできた魔石。効果により色が異なる。集めることで封印された扉を開けたり、ダンテをパワーアップさせたりすることができる。

【スタイリッシュランク
敵への攻撃や回避、挑発の成功など、如何にスタイリッシュに行動したかによって評価され、画面上にランクとして表示される。低いほうからD・C・B・A・Sの5段階(『3』以降はSの後にSS、SSSの7段階)ある。

【デビルトリガー(D.T.)】
ダンテやバージルといったメインキャラクターが発動する魔力のこと。敵に攻撃を与える、攻撃を受ける、特定のアイテムを使うなどの方法で"D.T.ゲージ"を溜めることができ、ゲージが3つ以上溜まると魔人に変身する。魔人の状態になると攻撃力や移動スピードがアップするほか、体力も少しずつ回復する。

【デビルハンターランク】
ミッション終了後に表示される評価。ミッションをクリアーするまでに掛かった時間、取得オーブ数などによって変化する。低い方からD・C・B・A・Sの5種類ある。

【テメンニグル】
『3』の舞台となったアメリカの街中に突如出現した巨大な塔。塔内部の各所にスパーダが魔界とともに封じ込めた強力な悪魔が潜んでいる。

【デュマーリ島】
『2』の舞台となった島。巨大国際企業ウロボロス社の最高経営責任者である魔道師アリウスが、島が秘める魔の力を手にすべく、島の開発を名目に巨大な市街地を建設。魔物が跋扈する恐ろしい世界に変わってしまった。

【伝説の魔剣士・スパーダ】
魔界の王であるムンドゥスが人間界に侵攻した際、正義に目覚め、人間たちのために戦った伝説の悪魔。剣の力でムンドゥスを魔界に封じ込めた後、人間の女性(エヴァ)とのあいだに双子(ダンテ、バージル)をもうける。

【フォルトゥナ】
『4』の舞台となるとある大陸沿岸部に存在する城塞都市。魔剣士スパーダを神と崇める独自の宗教が信仰されている。

【魔帝ムンドゥス】
魔界に君臨している皇帝。人間界に侵攻し、世界を支配しようとするも、スパーダの裏切りによって封じられた。その後、復活し、マレット島を拠点に魔界の出口を再び開き人界への侵攻を狙う。エヴァを殺害した張本人。

【マレット島】
悪魔が巣食う1作目の舞台となった島。
 
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berto

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『デビル メイ クライ』シリーズを愛する週刊ファミ通編集者たちが、実際に『デビル メイ クライ HDコレクション』をプレイ。
当時の思い出で振り返りつつ、新たに生まれ変わった『デビル メイ クライ HDコレクション』をレビューする。

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月夜に現れた美女トリッシュにいざなわれ、悪魔が徘徊する"マレット島"に降り立った主人公ダンテ。本作は、剣と銃でスタイリッシュに戦うダンテを操作し、孤島にそびえる古城の謎を解きながら、悪魔を地獄送りにしていくアクションゲームです。オリジナル版が発売されたのは2001年といまから10年も前のことながら、私も当時、最高難度の"ダンテ マスト ダイ"までをクリアーした身。HD化したとはいえ、ゲームの内容が同じならイイ感じでプレイできるはず。「やったるわ!」と、カプコンさんに乗り込んで、プレイしてきました。

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 トリッシュとともに孤島へ来たものの、彼女とは別行動……というか置いていかれたので、ダンテはひとりで進んでいくことに。城へ向かう途中、頭上にかかる橋と天蓋付きの小さなスペースがあり、「あれ、あそこは……」と記憶に引っかかるものを感じて向かうと、隠されていた"ブルーオーブの欠片"が出現! 本作にはこのように、特定の場所に立つと隠しオーブが手に入るポイントがいくつも存在。石像が持っている槍の先や、ふつうは行かないような場所など、"気づき""腕"が要求されることが多いだけに、見つけたときは「あったー!」とテンションが上がります。そうそう、『デビル』って、アクションだけでなく、こういうお遊び要素も充実してたよなぁ。隠しミッションがあったり……と、懐かしい気分で先へ。古城の内部に突入です。

 本作はミッションをクリアーしていく形で進んでいき、ボスを倒したり仕掛けを解いたりと、その目的はさまざま。ミッションのボリュームもちょうどよく、飽きずに進んでいくことができます。ストーリーは王道でシンプル。イベントシーンの演出は必見で、カッコいいながらも、ときに「えっ!?(笑)」と"(笑)"が付いてしまうようなコミカルさがあったりします。いい意味で突き抜けているのがまた魅力。だって、剣を調べたらいきなり心臓串刺しにされたり、その後平然とそれをゲットしてプロモーションビデオ風に振り回すとか、おかしいでしょ!?
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 そして、何と言ってもアツいのは悪魔とのバトル。序盤から敵がモリモリ出まくって、油断すると雑魚らしからぬ体力の削りかたをしてきます。エグい! すべての敵が、どういった動きをしていて、攻撃の予兆を見せていないかをつねに把握していないと、すぐに大ダメージを受けてしまう。ダンテの動きは操作感覚と目の端で確認するくらいで、斬って斬って避けて! 斬って避けて撃って! とまあ忙しい。敵である悪魔の個性づけが巧妙で、戦いの中で"避けるべき攻撃"と"攻めるべき隙"を見極め、そこを突いて倒したときの達成感はたまりません。「おお、私ちょっとうまいんじゃない!?」と、ソノ気になっちゃうんだよね。敵が出現するとロックな曲がかかって、気分を盛り上げてくれるのもポイント。この曲がまた、かっこいい!

 ちなみに、集めた"レッドオーブ"を消費して、近接武器の技の習得やアイテムの購入を行い、ダンテを強化することも可能。バトルでは、敵の攻撃を華麗にかわし、多彩な技をスタイリッシュに決めていくことで評価が上昇するため、技の種類が多いほど戦いやすくなります。近接武器や銃器は複数あり、自分好みの組み合わせを選ぶもよし、敵に合わせて変えるもよし。格闘武器もあるので、ちょっと違うゲームみたいな感覚で遊べたりもします。
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そんなこんなで、いくつかのギミックを解き、最初のボスであるファントムのもとへ殴り込み。コイツはサソリのような尾を持つクモのような悪魔で、当時はこのファントムが"序盤の壁"などと言われたものでした。最初のボスにしては強く、「あー、あいつね!」と、覚えている方も多いんじゃないでしょうか? 確か、背中が弱点で、上に乗ってダメージ与えるんじゃなかったかな~、と、おぼろげな記憶でピョンピョンと跳んでみるものの、ツルリと落ちてしまうダンテ。あ、あれ? その後、背中に乗ることだけにこだわり続けたものの大してダメージを与えられず、こちらの体力が削られていき、アッサリ倒されてしまいました。お、おかしい。昔は背中をザクザクしていた記憶があるのに。
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その場からやり直せる"イエローオーブ"を使い、再戦。背中は……まあいいや。ファントムは堅く、背中のほかには頭部しかダメージを与えることができません。そこで、チャンスに"デビルトリガー"を発動し、ザクザクと斬り込んでいきます。このデビルトリガーが、彼の切り札。じつは悪魔と人間のハーフであるダンテは、敵を攻撃すると溜まるゲージを消費し、悪魔に変身することで絶大な攻撃力を発揮するのです。ところが、序盤はあまり長時間変身できないので、すぐに元の姿に戻ってしまう。ジワジワ攻撃して、ゲージが溜まったら変身して攻撃、という流れをチマチマとくり返すダンテ。お、おかしい。昔はもっと華麗に(以下略)。結果、ファントムを倒すことはできず、取材時間が終わってしまいました。くやしい!

とまあ、内容には悔いが残りましたが、プレイ自体はとても楽しいものでした。なお、これは後から気づいたことですが、イベントで一部モデリングの粗が見えたりしたものの、バトルや探索時は、ビジュアルがまったく気にならなかったんですよね。37インチのモニターで遊ばせてもらったのですが、全然平気。HD化スゲェ。過去の作品をプレイするとき、ビジュアルのクオリティーや、インターフェースなどが気になって気力が削がれることがあるのですが、本作に関してはそのあたりは問題ないでしょう。しっかりとした"ゲームらしさ""攻略の楽しさ"が詰まっている作品だけに、プレイしたことがない人にはぜひ手にとってもらいたいし、以前プレイした人も、再プレイに耐えうるものになっているのでご安心を。最後のミッションまで驚きが詰まった『デビル メイ クライ』シリーズ1作目、またやり込みたくなりました!
 

berto

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How about a quick break from all the Japanese with the auto translate to something proper translated. There was this girl in the IGN's DMC forum, a mod, I think, and she translated several passages from a book called the Trinity of Fates, she translated passages for all 3 original games.

Unlike the other stuff this isn't something that is either no longer around or stuff I transcribed myself. You can still see her original post but it is buried deep in those forums and it would take knowing it exists to find it.


kiera2:
Translations by yours truly, with thanks to my mum for her help in the past. More will be edited in if/when I complete it. Posting this here so that I don't have to worry about auto-deletion on the boards.

I've disallowed replies so that I can post more translations in the future. Questions, comments, etc please email me.


C O N T E N T S

Devil May Cry: Column
Devil May Cry 3: Overview
Devil May Cry 3: Column
Devil May Cry 3 Cast: Vergil
Devil May Cry 3 Cast: Dante
Devil May Cry 3 Cast: Lady
Devil May Cry 3 Cast: Arkham
Devil May Cry 3: Story



General translation notes:

- Don't read too much into the exact wording. The English wording is my own. If you want clarification on anything at all, let me know and I can explain what I understand from the original Japanese in more detail.

- Where lines of dialogue are quoted from the games, I decided not to just paste in the dialogue that was used in the English versions. Thought it would be more interesting to translate the Japanese lines the way they're written in the book. After all you can easily find the English dialogue online if you want it.

Article-specific translation notes will be posted in blue with their respective articles.


D E V I L -M A Y - C R Y - 1 - : - C O L U M N

Existing in the heart forever, the pure love of a mother


- Trish was made by Mundus as a living copy of Dante's mother, as bait to lure Dante out. When the two of them met, there was a gruesome battle, covered with the spray of blood. Mundus' plan worked wonderfully; when Dante saw that Trish had his mother's face he started to trust her. However we should not immediately label Dante with a mother-complex* here. He certainly doesn't depend on Trish as his mother. He definitely projects his longing for his mother onto Trish, as for Dante, his mother is something that must be protected. But Dante doesn't have anything like the feeling of living under his mother's protection as with what's normally called a mother-complex. Once, he was unable to protect his mother and let her die. Even while knowing that Trish is not his mother, he is determined to protect her. Here, from this regret that he was unable to protect his mother, there was definitely a certain kind of "feeling" for Trish. Because of this, her betrayal of Dante was particularly painful. After being trapped by Trish, Dante says:
You looked like my mother.
Now, disappear.
The next time won't be like this.
- As would be expected of Dante, heir of a demon line who coolly cuts down his enemies, he doesn't show a single tear - but he was wounded to the bottom of his heart. After turning his back to Trish, he was crying...

- On the one hand, Trish was born as a puppet for Mundus, and like other low-grade demons such as Marionettes she exists only to be manipulated by him. However, the seeds of Dante's love gradually bud in her heart. This phenomenon can only be called a miracle. Trish is nothing but an empty "container". But from this doll who wears enough meat to pose as Dante's mother, a partnership arises. And so she gives her final breath protecting Dante from Mundus' fatal blow. From her self-sacrificing actions, Dante sees her as a human for the first time. Dante leaves his mother's keepsake amulet beside Trish's corpse. The tears he cries fall onto Trish's face. At this point, she becomes a true "human" with a heart of her own. And as Dante faces Mundus in their final decisive battle, the revived Trish appears before Dante to give him courage like his mother. This is also a miracle. A mother's thoughts of watching over her child. A child's heart yearning to protect its mother. Even the Demon Emperor is powerless in the face of such strong love. Let's consider something here. What if Dante's mother had been the demon, and his father a human - would a human's fatherly love have been able to save his child, Dante? We can't help but feel that it wouldn't. There's no clear reason for this. We can only say one thing: that is, that mothers are powerful. Of course after this, Trish having obtained proof of her humanity through her own tears, it goes without saying that Dante loves Trish as an individual woman.

*In the Oedipal sense.


I'm only posting the DMC1 stuff since not only is this the DMC1 section but I think it'd be best read her original post. I tried contacting her a while back but she never got back to me. Even so, she deserves the credit and the views of her original posts.

The DMC3 stuff is also very interesting so it's worth checking out.
 

berto

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I forgot that I wanted to add a note to the Sargasso comment above. First off I couldn't figure out why Dante talked about Africa since the google translate is so obscure but when I looked it up it turned out that the name originated from a type of seaweed, specifically one, if understand it correctly, called Sargassum which is a seaweed that extends all the way from the Sargasso sea to Africa, so he was sort of giving an etymology and botany lesson in that comment. On top of that, not only are the demons named after that ocean but it turns out that Mallet Island was located on the Sargasso sea during DMC1.
https://devilmaycry.org/forums/thre...zard-4-devil-may-cry.10958/page-2#post-350877
I say during DMC1 because in an interview Kamiya mentioned that the island often changed locations. It would be somewhere one day and by the next day it'd be somewhere else and only Trish was able to find it wherever it was. This is something that carried over to Okami.
Edit: It occured to me that it's possible that the island changes location but always within the bounds of the Sargasso sea. It is over 3,000 km long. That is easily a few wide states wide. Plenty of space for just one island, and Mallet couldn't have been more than a few kilometers long.
 
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berto

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『デビル メイ クライ』シリーズを愛する週刊ファミ通編集者たちが、実際に『デビル メイ クライ HDコレクション』をプレイ。
当時の思い出で振り返りつつ、新たに生まれ変わった『デビル メイ クライ HDコレクション』をレビューする。

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 というわけで、オレも遊んできましたよ、『デビル メイ クライ HDコレクション』! 『2』はパワータイプのダンテを操作するダンテ編と、スピードタイプのルシアを操作するルシア編の、ふたりの主人公それぞれの視点から物語を楽しめます。まずはダンテ編でスタート。剣と銃の攻撃と回避など、操作方法を確認しつつ、サクサクと進んでいきます。「たしか、回避で移動してたよなぁ」と、記憶を頼りにピョコタンピョコタン跳ねてみました。うーん、なんで回避で移動してたんだっけ?

 ミッション3からはステージの最後にボスが待ち構えているんですが、「こういう感じで倒してた気がする」という記憶を頼りに攻撃。さすがにボスの攻撃をうまくかわせなかったりしてダメージを受けますが、そこそこいい感じに撃破(ランクはBでしたけど)。やっぱりボス戦は覚えているもんですねぇ。続いてミッション4。ここで、魔人化中に移動速度が上がるクイックハートを入手。この先には、仕掛けを作動させると開くけど、徐々に閉まっていく鉄格子があります。魔人化を使って走り抜けるってのが正攻法なんですが、ピンときました。「たしか回避で移動しても間に合うはず!」と、さっそくチャレンジ。1回目は失敗したものの、2回目で突破! そうだよ、回避での移動が微妙に速いから使ってたんだよなぁ。
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 その後も「このボスはこのへんで銃を撃っているだけだったような」とか、「ここにいればあまり攻撃を受けないはず」と、記憶が蘇る、蘇る。当時のようにSランクとはいかないけど、手こずることなくサクサク進み、ついにミッション11に到達。ここのボスは2匹の狼型悪魔のフレキ&ゲリと、巨大な剣を操るボルヴェルクの3体同時。正攻法で戦うとかなりツライんですが、ステージにある玉座の前に陣取るとボルヴェルクが振り下ろす剣にしか当たらないんですよ。剣を回避できずに何回か食らいましたが、無事に撃破。うーん、懐かしい。ついつい、ダンテ編ばっかり遊びすぎちゃいました。
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 当時の攻略記事はダンテ編とルシア編で担当を分けていたんですよ。で、オレはダンテ編を担当していたんで、ルシア編ってあまり記憶にないんですよね。はっきり覚えているのは水中を移動するミッション。といっても、ゲーム中のことじゃないんですけど。ルシア編の担当が「Sランク無理! ここは取れない!」って言うのを「そんなわけないって、何か方法があるよ! もう少しやってみようよ!」となだめながら、プレイしているのを隣で見てました。けっきょく、その担当ががんばってSランクを取ったんですよね。その攻略記事が載る号と同じ発売週の某プレイステーション専門誌には、Sランク攻略やめました、って書いてあって痛快だったなぁ。あ、オレは見てただけなんですけどね。
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 というわけで、たっぷりHD版を楽しんできました。当時プレイした人は、それぞれの攻略法や思い出が蘇ること間違いなしですよ。もちろん、プレイしたことがない人も、ぜひ! オレもHD版でSランクに挑戦してみようかなぁ。
 

berto

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『デビル メイ クライ』シリーズを愛する週刊ファミ通編集者たちが、実際に『デビル メイ クライ HDコレクション』をプレイ。
当時の思い出で振り返りつつ、新たに生まれ変わった『デビル メイ クライ HDコレクション』をレビューする。
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 僕と『デビル メイ クライ』(以下『DMC』)シリーズとの付き合いは、『DMC2』のときから。いまは亡き『ファミ通PS』のころですね。アクションゲームの類が苦手な部類に入る僕は、"炭坑のカナリア"役として攻略班に入れられました。つまり、アクションが苦手な人が、どこで苦戦するのかというセンサー役です。ちなみに、『DMC2』の攻略がスタートする前に初代もプレイしてみたのですが、難しかった記憶しか……、とうぜん短い時間でクリアーすることはできず……。戦々恐々としながら『DMC2』に取り組んでみると……、「うん!? ……意外とイケる!」。で、その勢いのまま『DMC3』も担当となったのですが、『DMC1』ほどではないにせよ、『DMC3』は難しくなっていたため、カナリア役に逆戻り。クリアーはしました(難度ノーマル)が、悪戦苦闘した思い出があります。
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 前置きが長くなりましたが、僕がここで言いたいのは"僕はアクションが苦手"ということ。以降はこれを踏まえて読み進めてください。僕の「難しい」は、多少盛ってあると思ってくれれば(笑)。


 『DMC3(Special Edition含む)』は、主人公のダンテがシリーズ中でいちばん若い設定で、いままでの渋いダンテに比べて若干ヤンチャな感じです。そんなダンテが、"テメンニグル"という巨塔に向かい、魔界に通じる扉を開こうとする兄のバージルを止めるという話。物語は、ふたりの関係を軸に、ヒロインのレディやアーカムという男の話が絡みながら進んでいきます。そういえば、当時ファミ通PSで同僚だった"ダンテ大好き"な河合リヱが、「こんなのダンテじゃない!」って言っていたのを思い出しますね。『DMC1』や『DMC2』の「渋いダンテがイイ!」という人には、違和感があるのもわかる気がします。僕はダンテよりレディのほうが気になりました(笑)。黒髪で巨乳じゃないヒロインというのは新鮮でしたからね。それだけに、次回作の『DMC4』で、キッチリ巨乳になって出てきたときは、「いったい何があった?」と軽くショックを受けましたね。少女から大人になったとはいえ、アレは何か入っているんじゃないかと(笑)。
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 システム面での新しい部分が、"スタイル"という要素。移動力に特化したトリックスター、剣(近接攻撃)に特化したソードマスター、銃(遠距離攻撃)に特化したガンスリンガー、防御とカウンター攻撃に特化したロイヤルガードという4つのスタイルを使い分けることができます。スタイルごとに特徴があり、アクションボタンと左スティックの組み合わせで、スタイル固有のスタイルアクションを出すことができます。これら4つのスタイルは、使うことで成長するので、どのスタイルを伸ばすかも攻略のカギになります。まあ、最初は自分に合ったスタイルを選ぶのがいいと思います。僕は、サイドロールやバックジャンプの回避行動がヘタなので、回避優先でトリックスターをメインに使っていました。

 ミッションの内容はいつものシリーズ通りで、敵を倒しつつ仕掛けを動かしながら進んでいきます。ただ、銃の攻撃力が低いので、敵との戦いは『DMC2』よりも苦労しました。とくにボス戦は、それぞれ倒しかたが違うので、コツをつかむまでに何回も倒された苦い思い出が……。ボス戦のたびに倒されながら対策を練り、少しずつ先へ進んでいき、やっとエンディングに到達したときには、なんとも言えない喜びがありましたね。ヘタなりにうまくなっていく感じも味わえました。うまい人がやれば簡単に感じるのでしょうが、僕にとっては投げない程度にプレイさせる絶妙のバランスでしたね。もちろんその後に発売された『DMC3 SE』も、楽しく遊ばせてもらいました。もちろん"ブラッディパレスモード""ベリーハード"など、上位のモードは無理でしたけどね。
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 ……それから6年あまり。『HDコレクション』が出るということで、カプコンに行き、プレイさせてもらうことに。再会した『DMC3 SE』はキレイになっていました。もとがプレイステーション2でもグラフィックはキレイなほうだったので、正直そこまで大きな違いはないと思っていたのですが、細かいところまでハッキリクッキリ。アクションももっさりした感じはなく、そのままキレイになったという感じで、軽快に敵を倒していきます。操作に関してもけっこう覚えているもので、すんなりミッション1をクリアー。ミッション2で最初のボス戦、ヘル=バンガード戦へ。じつは6年前、いちばん苦手にしていたのがコイツなのです。嫌な思い出がチラチラ甦ろうとしますが「大丈夫、倒しかたは覚えているはず」と言い聞かせながら戦いに挑みます。が……「あれ?」「あれ??」……。敵の大鎌攻撃を回避して攻撃すればいいのはわかっているのですが、なかなかうまいこといかずに善戦止まり。与えられた残り時間も少なくなり、焦りも加わってきます。後ろで見ているスレイブ間々田の視線も、けっこうなプレッシャーに(笑)。このままで終わるわけにはいかない……とは思いつつも、背に腹は代えられず、スレイブ間々田にバトンタッチ!彼は期待通りに回避+大剣の攻撃であっさりと倒してくれました。……これが回避できる男とできない男の違いなのでしょうね。

 そして再度交代し、ミッション3のボスのケルベロス戦の途中で時間切れ。まずは氷を剥がして、と手順は覚えていたのですが、敵の体力をじわじわ削っているところで試遊時間終了。もうちょっと時間が合ったら勝ててたんですけどねえ。
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 もう少しスムーズに進められるかなと思っていたのですが、この苦戦っぷりは、6年前の初プレイ時とほぼ変わらず。物語の要所や仕掛けなどのギミックは覚えていましたが、敵との戦かたはすっかり忘れていたということですね。せっかく苦労して自分なりの戦いかたを編み出したのに、時間の経過というのは残酷なものです。ちょっと悔しい気もしますが、考えようによっては、再度プレイすれば、6年前に試行錯誤してうまくなったときの喜びがもう一度味わえるということ。『HDコレクション』をもう一度しっかりプレイして、今度はボスとの戦いかたを忘れないように身体に叩き込んでおこうと思いました。

 数年後、新しいハードになって『DMC スーパーHDコレクション』『DMC 3D コレクション』などが発売、なんてこともあるかもしれないですし。で、今回のように久しぶりにプレイすることになっても慌てないように、しっかり腕を磨いておくことにします。
 

berto

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『デビル メイ クライ』シリーズを愛する週刊ファミ通編集者たちが、実際に『デビル メイ クライ HDコレクション』をプレイ。
当時の思い出で振り返りつつ、新たに生まれ変わった『デビル メイ クライ HDコレクション』をレビューする。


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  思い出すのは、いまから10年以上昔のE3(エレクトロニック・エンターテインメント・エキスポ。北米で開催される世界最大のゲーム見本市)。世界中から注目が集まるプレイステーションのカンファレンスの舞台で、あるゲームクリエイターが身振り手振りを交えて新作タイトルの思想を熱く語っていた。彼の口から出てくる単語は、
 「爽快」、「かっこいい」、「スタイリッシュ」。

新発売のジーンズのプレゼンを聞いているのかと錯覚すら覚える単語の羅列だったが、会場中の視線は釘づけとなり、あちこちから「ブラボー!!」の声が飛んだ。「ピーピー!!」と甲高く飛び交う口笛の音は、耳をつんざくほどだった。
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お披露目されたタイトルはカプコンのプレイステーション2用ソフト『デビル メイ クライ』

 日本のゲームが、間違いなく世界のゲームトレンドの発信地点だったことを証明する象徴的な作品であり、そのプレゼンテーションだった。
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 発売された『デビル メイ クライ』を見て真っ先に思ったのは、「いい意味でケレン味のあるゲームだな」ということ。プレゼンで強調された"かっこよさ""スタイリッシュさ"を徹底的に追い求めるため、非常に割り切った"はったり"を利かせた作りになっていたのだ。好き嫌いの分かれる画面固定視点を逆利用し、美しいグラフィックを実現。固定カメラだからこそのこだわり抜いた映像アングルは、そこだけ切り取ってポスターにできるくらいの迫力と美しさを醸し出していた。小気味のいいアクションも出色で、八頭身美男子のダンテがくり出す華麗な剣戟がガンアクションは、ただボタンをガチャガチャと押しているだけで自分をゲームの主人公たらしめてくれたものだ。それぞれが意思を持っているかのような個性的な敵キャラ、考え抜かれたステージ構成、そして謎解き……。後のアクションゲームの土台に大きな影響を与えたエポックメイキング的な作品だったと、俺はいまでも強く思っている。とくに、初代『デビル メイ クライ』は。当時のアクションゲームは、ハードの制約もあって"グラフィックの美しさ""緻密なアクション"が二律背反のような関係にあったが、欲張りな『デビル メイ クライ』はどっちも捨てずに追いかけた。その結果が、シリーズの大ヒットにつながった。

 そんなことを懐かしく思い出しながら、装いも新たに登場する『デビル メイ クライ HDコレクション』をプレイしてみる。ROMを入れてしばらく待つと、色っぽい女性の声が英語で「DEVIL MAY CRY~(うふん)」と発音。思わずつられて「でヴぃるめぇいくらぁ~い(うふん)」と口に出して言ってしまう。それを聞いていた同居人が「……あんた、昔から『デビル メイ クライ』やると同じこと言うよねww」と思い出し笑い。自分ではまったく記憶になかったが、俺は力士が取組前に塩を撒くように、毎度毎度「でヴぃるめぇいくらぁ~い」と言っていたようだ。

 そして、ゲームがスタート。『HDコレクション』の最大のウリはハイデフ化された映像にあるのだろうが、正直俺は画面を見るまで「そこまで違いが出るのかな?」と思っていた。というのも、前述の通りオリジナルの『デビル メイ クライ』はプレイステーション2用ソフトの中でも指折りのグラフィックを誇っていたので、そこまでの恩恵は受けられないだろうと感じていたのだ。「多少画面が明るくなって、発色がよくなっていれば御の字」。そんなことまで考えていた。

 で、画面を見たわけだが……。

 俺は「さっきまで知ったかなことを考えていた俺よ、いますぐファントムに喰われて死んでくれ!!」と言わんばかりに驚きの声を出した。
「うは!!! ぜんぜん違う!!!!!」

 発色、明るさ、細かなディテール、そして迫力と、オリジナル版とまったく違う! オリジナル版では見づらくてイラッとさせられた場面でも、暗がりまで緻密に描かれたグラフィックの美しさでノーストレスだ。もちろんこれは『デビル メイ クライ 2』、『デビル メイ クライ3 Special Edition』でもまったく同じで、"壁走り"をして建物の屋根に上り、あたりの景色を眺めているだけで満足できちゃうってくらいのシロモノである。
「こんだけ見やすくてキレイならば、アッと言う間に昔の勘を取り戻して、Sランクを連発できるに違いない」
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 レッドオーブを集めて少しずつダンテの技を増やしながら、"スタイリッシュさ"を肝に銘じてザコを相手に立ち回る。多彩な技を出して敵を圧倒し、逆に相手の技は美しくスルーすることで上のランクが近づいてくるのだ。うん、いいぞ。この感じだ! 流麗な剣舞と問答無用のガンアクションに自分で見惚れながら、俺は瞬時にミッションをクリアーした。その結果は……。
"ランクC"

 オイ待て。Cってナンだ? ABCのC?? もしかして、A<B<Cって感じで、Cがいちばんいいんだっけ……? アレ? じゃあSってのはナンだ……??
「おっかしいな……」

 首を捻りながらつぎのミッション。ここでも自分なりにかっちょよく立ち回れたと思ったが、ナゼか結果は"ランクC"。さらに2回続けてCを取り、本格的に「Cがいちばんいいのかも」と思い始めたころ、前出の同居人にこんなことを言われた。
「思い出したw 前にやってたときもランクCばっか出して、"ミスターC"って呼ばれてたよねwww」
 ………………。


 ……まあ考えてみたら、悪名高き"ファントム"にボコボコにやられ、"シャドウ"にも"ネロ アンジェロ"にも"グリフォン"にもやられまくってイエローオーブをすべて使い尽くしている俺が、Sなんか取れるわけねーんだよな……。

 それでも、ゲーム中の俺(ダンテ)はかっこいい。ザコに斬られて「はう!」っとなる姿すらスタイリッシュだ。
『デビル メイ クライ』をプレイするときは、制作者の術中にハマってしまうのがいちばんいいと俺は思う。自己陶酔してダンテになりきり、ガチャガチャとコントローラを叩きまくっているだけで最高に楽しいのだ。ガチャプレイですら美しい、唯一無二のゲームかもしれない。オリジナルをプレイしたのが10年も前なので、『1』も『2』、『3 SE』も新作を遊ぶのと同じ気分で没頭できる。そういう意味では、もっとも旬なタイミングでHD化されたタイトルと言える。
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「くぬやろ! くぬやろ!」

 画面のスタイリッシュさとは裏腹に、口を突く言葉は下品極まりない。

 でも、これがいい。

 いまも昔も、『デビル メイ クライ』には「くぬやろ!」がよく似合う。
 

berto

I Saw the Devil
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DMCシリーズを振り返る!
コアゲーマーとしても有名なBose(スチャダラパー)が『デビル メイ クライ HDコレクション』をプレイ!
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【プロフィール】Bose(ボーズ)
日本のラップグループ"スチャダラパー"のMCを担当。個人活動としては、テレビ・ラジオ・CM出演、ナレーション、執筆、さらにはハードコアゲーマーとしても有名で、ゲーム情報誌『週刊ファミ通』や『ファミ通WaveDVD』で連載を行っていた。
※スチャダラパーの公式サイトはこちら
http://www.schadaraparr.net/(for PC)
http://mfmobile.jp/(for MOBILE)

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――『デビル メイ クライ』シリーズをプレイされたことはありますか?
Bose 最初(『デビル メイ クライ』)のをプレイしたことがあるんですが、難しくて途中で断念した記憶があります。当時、『デビル メイ クライ』のテレビCMを見たときに、敵をバンバン倒しているのが「おもしろそうだな」と思ってプレイしてみたんですけど、想像よりも難易度が高くって「つらい……」みたいな。それで、たしか断念しちゃったんですよ。
――Boseさんに『デビル メイ クライ HDコレクション』をプレイしていただきましたが、たしかに『1』のときは苦戦されている様子でした。
Bose 久々にプレイしましたが、やっぱりちょっと難しいなって感じましたね。ビジュアルはすごく覚えているんですよ。ダンテが飛んだり撃ったり、斬ったりするっていうところは。でも10年前のことなのでゲームの内容はすっかり忘れていましたね。
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――『デビル メイ クライ 2』(以下、『2』)をプレイされているときは、Boseさんが生き生きしていたように感じました。
Bose 初めてプレイしたんですけど、『2』はすごく爽快で『2』を最初にやっていればなみたいな(笑)。ダンテが最初から強いので、ヘタな僕にもすごくやさしいな、と。あと、ダンテの跳躍力がハンパなかったですね。上にジャンプしてからの横飛び(エアハイク)は最高でした。とくに、回転しながらの横飛びが気持ちよかったです。きっと、『1』でのダンテのジャンプ力を、『2』の開発チームが特化させたんでしょうね(笑)。

――(笑)。ちなみに、『2』ではゲームスタート時からルシアでプレイできますが、ルシアを操作してみての感想を教えてください。
Bose "竜巻旋風脚"的な動きもあってかっこよかったです。あとは、無限に出るナイフですね。2段ジャンプからナイフみたいな。

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――『デビル メイ クライ 3 Special Edition』(以下、『3 SE』)はいかがでしたか?
Bose ダンテのアクションを4つのスタイルの中から選べるようになったり、ひとつのミッションが短くなっているので、よりコアなプレイヤー向けになったという印象ですね。なので、操作面でも『2』より難しくなっていたような気がします。『2』ではボタンを押しているだけで銃の連射ができたし、最初から魔人にも変身できて「超強い!」みたいな。でも、『3 SE』では、最初のミッションでいきなりやられちゃって、「あれ? 1面は練習じゃないの?」って(笑)。それほど難易度が上がっているんだな、と思いました。
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――『デビル メイ クライ』シリーズは、"スタイリッシュアクション"という銃や大剣などによる連続攻撃をいかにスタイリッシュに決められるかというコンセプトで作られた作品ですが、"スタイリッシュアクション"の手触りはいかがでしたか?
Bose 「かっこいいー!」って言いたくなるようなアクションですよね。僕は、銃を使った攻撃が好きなんですけど、『3 SE』での銃器の扱いに長けたスタイル"GUNSLINGER"はよかったです。左ステックでターゲットの切り替えができるので、右の敵を撃ちながら、後ろの敵も撃てるみたいなところが『3 SE』はやりやすくて、すごく気持ちよかったです。銃での攻撃が好きな人は『3 SE』の"GUNSLINGER"がオススメですね。

――お気に入りの攻撃アクションはどれですか?
Bose 2段ジャンプ(エアハイク)をした後に下を撃って浮いているやつですね。撃って撃ってその勢いで浮いているみたいな。それが最高にかっこよくて、自分もダンテになりたいと思いました(笑)。

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――そのダンテについての印象を教えてください。
Bose "男前だけど身体を鍛えている人"っていうのが、某美形アーティストのあの人みたいな。ビジュアル系でもなよっとしていない"男感"があってかっこいいですよね。自分はこういう風にはなれないので憧れますね。もし、生まれ変わってダンテみたいになったらまた違う人生だっただろうなと。『2』でダンテがルシアを救うシーンみたいに、女の子を救って飛ぶみたいな。

――いちばん年齢が若い『3 SE』のダンテについてはどう思いますか?
Bose 『1』と『2』に比べると若いので、かわいらしさがありますよね。年上のお姉さんが好きそうな、年下のやんちゃな男の子っていうイメージですね。そんな彼がいろいろしんどいところを見て、「酒も女も止めた」みたいなのが『1』や『2』のダンテになっているんじゃないかな、と思いますね。

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――では、ミュージシャンの視点から『デビル メイ クライ』シリーズのBGMとゲームの相性についてはどう思われましたか?
Bose ゲームがゴシック的と言うか悪魔的な雰囲気なので、ヘビーなロックは合うと思います。アメリカと言うよりはロンドン的なと言うか、ヨーロッパなゴシックな感じがマッチしますよね。

――過去作が高品質のグラフィックで楽しめ、価格も手ごろな『HDコレクション』シリーズについてはどう思いますか?
Bose 過去の作品がいくつか入って価格も手ごろっていうのは、ゲームファンにとってはうれしいですよね。しかも、グラフィックがきれいになっているしね。
――今後『HDコレクション』出してほしいシリーズがあれば教えてください。
Bose 『魔界村』シリーズはおもしろそうですよね。すごくきれいなグラフィックだけど、すぐレッドアリーマーにやられるっていう(笑)。グラフィックはリアルなんだけど、アーサーは弱いままみたいな(笑)。

――なるほど(笑)。では、最後にこれから『デビル メイ クライ HDコレクション』をプレイする人へ向けてメッセージをお願いします。
Bose これは『1』から順番にプレイしていくものなんでしょうけど、『2』をプレイしちゃったらもう『1』には戻れないと思うから、先に『2』をプレイしないようにしましょう!僕のオススメは『1』→『3 SE』→『2』です。
 

berto

I Saw the Devil
Moderator
Many years ago I posted this here on the forum but it's probably lost to the ages... That or Meg locked the thread. Anyway, this is no longer true, not since the light novel, and I can't find a source for it. It was posted as a translation from an official replica for E&I from a japanese replica maker called Poseidon. This was apparently the description that was in the box.

The History of Ivory & Ebony
After the Legendary Dark Knight Sparda sealed the demons of the underworld into the abyss, he entered the realm of mortals. He fell in love with a beautiful woman, Eva and had two twin sons - Dante and Virgil.

Fearing that the world would someday fall under the shroud of darkness once again, Sparda began to prepare for a future battle in this world against the legions of the underworld. He created two handguns, Luce & Ombra {Lu-chay} Italian for " Light" and Ombra [sometimes spelled Umbra, is Latin for " Shadow"] with which to repel the demons and a fine sword to which he gave the name " Force Edge".

Now in the modern age, a new hunter of demons has arisen to protect humanity from the curse and corruption that is the underworld and its inhabitants. His name is Dante and his is a most unenviable task - to rid the world of all demons.

Not in the history of the world, were there ever a finer set of weapons. Not ever. Dante had taken the Force Edge and Luce & Ombra from his Father many years ago. He needed to upgrade his father´s handguns to a level so high, that none could stand before them when they began to cast their judgement on the demons before them. It is this task, that Dante entrusted to his old friend and skilled craftsman, Tony Redgrave. After 2 years of work, the guns were at last, ready to purge the underworld of it's evil.

One blessed with the divinity of Heaven and the other cursed with the fires of Hell, the balance of these weapons was to be kept in harmony with the balance of good and evil. When one is fired, if the other is shot right after, there will be no pause for reloading - as the balance is kept that the wicked shall suffer the righteous judgement.

Tony then placed upon the handles two images emblazoned onto each: Ivory - with it´s Heavens breach shall bear the visage of Eva, Dante´s mother and the guiding light for righteous judgement and purity. Ebony - with it´s black chamber shall bear the visage of Beatrice, who quells the evil soul within it and allows it to work in tandem with Ivory.

Dante was so pleased with Tony´s work that he had a dedication engraved to him on each of the guns - " For Tony Redgrave - . 45 Art Works"
 
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